訪問介護のAI活用|サ責と記録を軽くする5業務
業務効率化支援を行う「Ai-Raku(アイラク)」代表。国立大学でAIの研究を行い、ITコンサル・ウェブコンサルを経て独立。官公庁向けの業務効率化や上場企業の支援等を経て、中小企業の現場に定着するAI活用を企画から運用まで一気通貫で支援している。著書に『中小企業のAI定着の教科書 — 入れた後に、何をするか』(2026年)。

- 訪問介護でAIは何に使えますか?
- 訪問記録の整形、申し送りの要約、ヘルパー向け手順書の下書き、訪問介護計画の文案のたたき台、家族や居宅介護支援事業所への連絡文の下書きの5つが中心です。いずれも人が見聞きした事実を文章に整える作業で、判断そのものは含みません。
- 介護報酬の算定はAIに聞けますか?
- 算定できるかどうかの判断は聞かないでください。生成AIの応答は確率的な相関関係にもとづいて生成されるため、不正確な内容が含まれるリスクがあると個人情報保護委員会も指摘しています。使ってよいのは「確認すべき観点を列挙させる」までで、答えは告示・通知の原文と指定権者への確認で得てください。
- 利用者の名前を入力してよいですか?
- 入力しない運用を強くおすすめします。介護関係記録に記載された病歴等は要配慮個人情報にあたり、通常の個人情報より厳しい扱いが求められます。氏名は「利用者」に置き換え、連絡文は雛形として作って送付時に人が差し込む形にしてください。
- サ責の負担は減りますか?
- 書く仕事の時間は減らせる可能性がありますが、効果を保証するものではありません。介護労働安定センターの調査では、サ責の課題の第1位が「担当業務に専念できる時間が足りない」(60.3%)でした。減らした時間を何に使うかを先に決めておかないと、別の業務で埋まります。
- ヘルパーのスマホに入れる?
- 当社としてはおすすめしません。ヘルパーの端末は介護ソフトの記録アプリまでにとどめ、生成AIに触れるのは事業所のパソコンでサ責と事務職員だけ、という構成が安全です。入力データの行き先が管理しやすくなり、費用も抑えられます。
- 音声入力は使えますか?
- 使えますが、場所のルールを先に決めてください。利用者宅の前や玄関先で話すことに抵抗を感じるヘルパーは少なくありません。「利用者宅を出て移動を始めてから」といった運用ルールと、箇条書きの文字入力でもよいという逃げ道を用意しておくと定着しやすくなります。
- 高齢のヘルパーでも使えますか?
- 全員に一斉導入するのは避けてください。訪問介護員は60歳以上が25.7%を占めます。まず使えそうな3人から始め、その人たちが相談役になってから広げる進め方が現実的です。ヘルパー側の操作を増やさない設計にすることが前提です。
- 費用はどのくらいかかりますか?
- 当社の支援は初期費用0円、月額5万円が標準です。これとは別に生成AIサービスの利用料が1人あたり月額数千円程度かかります。まず無料の範囲で試してから決めていただいて構いません。
- 記録の保存期間はどうなりますか?
- 訪問介護計画やサービス提供の記録は、指定居宅サービス基準により完結の日から2年間の保存が必要です。生成AIで整形した場合も、保存されるのは事業所が確定した記録であり、AIサービス側に置いたままにするものではありません。
- 情報が漏れたらどうなりますか?
- 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態は、人数にかかわらず個人情報保護委員会への報告と本人への通知の対象になり得ます。利用者1名分でも対象です。紛失時の連絡手順を紙で配っておいてください。
- 介護ソフトのAI機能は使える?
- 使う前に、その機能がどの事業者のどのサービスを利用していて、入力データが学習に使われるかを営業担当者に確認してください。委託先の監督は事業所側の義務であり、再委託先の取扱いによって事業所が責めを負うこともあり得ます。
- 小規模な事業所でも意味ある?
- 利用者20名程度で全員が週1回は事業所に顔を出す規模なら、紙とホワイトボードで十分に回ります。まず記録様式を減らすほうが先です。特定のヘルパーしか入れない世帯がある場合は、手順書づくりの手段として検討する価値があります。
- 施設の記録との違いは何ですか?
- 書く場所と読む場所が離れている点です。施設は同じ建物の中で完結しますが、訪問介護は移動中に書き、別の日に別の人が読みます。施設の記録業務のAI活用は医療・介護のAI活用の記事で扱っています。
- どのくらいで効果が見えますか?
- 手順書づくりであれば2週目には目に見える成果物が出ます。記録や申し送りの時間短縮は、運用が定着する2か月目以降が目安です。効果を確認する指標を先に1つ決めておくことをおすすめします。
「ヘルパーが事業所に集まらないので、申し送りが電話とメモ帳頼みになっている」「記録を書く時間が移動中しかない」「サービス提供責任者が電話対応に追われて、指導まで手が回らない」。訪問介護の事業所からご相談をいただくとき、ほぼ必ずこの3つが出てきます。
訪問介護は、同じ介護でも施設とは仕事の形がまったく違います。職員が一か所に集まらず、記録を書く場所が事業所ではなく利用者宅か移動の途中で、しかも訪問のたびに相手が変わります。この前提を無視して「介護の記録はAIで効率化できます」という一般論を持ち込むと、現場では動きません。
この記事では、AI導入支援を行う立場から、訪問介護という事業形態に固有の事情に絞って、生成AIをどこまで使えるのかを整理します。厚生労働省と個人情報保護委員会の一次情報にもとづき、任せてよい範囲と人が判断すべき範囲の線引き表、そのまま使えるプロンプト例、事業所のモデルケース試算まで落とし込みます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の事業所の状況に対する助言ではありません。当社はAI導入支援を行う事業者であり、介護保険制度の専門機関ではありません。人員基準や介護報酬の解釈、個別の運用の可否については、指定権者である都道府県・市町村の担当課、または専門家にご確認ください。
また、本記事に「AIを入れれば人手不足が解決する」という趣旨の記述はありません。生成AIができるのは、記録や連絡といった書く仕事の下ごしらえまでです。訪問そのものと、利用者に関する判断は人の仕事として残ります。
- 訪問介護が施設と決定的に違う4つの前提と、そこから生まれる詰まり
- サービス提供責任者の課題の第1位が「専念できる時間が足りない」(60.3%)である事実
- AIに任せてよい業務と、人が必ず判断する業務の線引き表
- 訪問記録・申し送り・手順書で使えるプロンプト例4つ
- 利用者85名の訪問介護事業所のモデルケース試算(月44時間)
- 利用者の心身状況は要配慮個人情報という前提での、スマホ運用の注意点
結論:AIは下書きと整理まで
先に結論を書きます。訪問介護で生成AIに任せてよいのは、すでに人が見聞きした事実を、読みやすい形に整える作業までです。具体的には次の5つです。
- ヘルパーが書いたメモを、訪問記録の体裁に整える
- 複数の訪問記録から、次に入るヘルパーへの申し送りを短くまとめる
- ベテランの手順を、新しいヘルパー向けの手順書に書き起こす
- 訪問介護計画やモニタリングの文案のたたき台を作る
- 家族や居宅介護支援事業所への連絡文、事故報告の下書きを作る
逆に、人が必ず行うのは「事実かどうかの確認」と「利用者に関する判断」です。この記事で何度も繰り返しますが、介護報酬の算定に関する判断を生成AIに任せてはいけません。加算の要件を満たすか、どの区分で請求するかといった問いは、告示・通知・解釈通知の原文と、指定権者や国保連への確認によるべきものです。
この線引きが守れる事業所であれば、訪問介護は生成AIと相性の良い事業形態です。なぜなら訪問介護の負担の多くは「介護そのもの」ではなく「介護のことを、離れた場所にいる人に伝えるための文章」に集中しているからです。そこは文章の仕事であり、生成AIが最も得意とする領域と重なります。
訪問介護が施設と違う4つの点
まず、なぜ訪問介護だけを取り上げて記事を書くのかを説明します。施設介護向けのAI活用の話は医療・介護のAI活用で扱っていますが、訪問介護には、そのままでは当てはまらない4つの前提があります。
直行直帰で顔を合わせない
1つ目は、職員が事業所に集まらないことです。登録ヘルパーの多くは自宅から利用者宅へ直行し、そのまま帰宅します。施設なら申し送りノートを回覧するだけで済むことが、訪問介護では成立しません。
厚生労働省が公開している介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン(居宅サービス分)には、訪問介護の課題把握の記入例として、「利用者に関する申し送り事項の共有に漏れがある」という課題と、その原因として「職員同士が対面で集まる機会をなかなか作れないため」「申し送り事項を連絡したい時に電話がつながらないため」という記述が挙げられています。国が示す標準的な例に、この構造がそのまま書かれているわけです。
そして影響として書かれているのが、「利用者から『先週ヘルパーさんに伝えたことを、今週のヘルパーさんが把握していなかった』と苦情がきた」というものです。訪問介護の情報共有の失敗は、苦情という形で利用者側から返ってきます。
記録を移動中か訪問先で書く
2つ目は、記録を書く場所です。施設の職員はステーションに戻って記録を書けますが、訪問介護のヘルパーは、次の訪問先へ向かう移動の途中か、訪問を終えた玄関先で書くことになります。落ち着いてパソコンに向かえる時間は、多くの事業所で確保されていません。
結果として起きるのが、「メモは手書き、清書は後で、転記は誰かが」という二度手間です。前掲のガイドラインでも「記録作成に転記作業が生じている」が課題例として挙げられ、その影響に「転記作業で残業が発生」「転記ミスが発生している」と記されています。
ここが、訪問介護でAIを検討する最大の理由です。減らすべきなのは「書くこと」ではなく「同じ内容を2回書くこと」だからです。
サ責に業務が集中する
3つ目が、サービス提供責任者(以下、サ責)への業務集中です。訪問介護には、この職種があるという構造的な特徴があります。
サ責の職務は法令で定められています。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第24条により訪問介護計画の作成を担い、さらに第28条第3項で、利用の申込みに係る調整、利用者の状態変化や意向の定期的な把握、居宅介護支援事業者等への情報提供、サービス担当者会議への出席、訪問介護員等への援助目標と援助内容の指示、業務の実施状況の把握、能力や希望を踏まえた業務管理、研修・技術指導の実施が、まとめて課されています。
配置基準は、同基準第5条第2項により、原則として利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上です(一定の要件を満たす事業所では50人ごとに1人とすることが認められています)。つまり、利用者80人の事業所であればサ責2人で、上に挙げた業務のすべてを回すことになります。
利用者ごとに情報が分断
4つ目は、情報が利用者単位で分断されることです。施設なら「今日のフロアの様子」という共通の話題がありますが、訪問介護では、Aさん宅で起きたことはAさんの記録にしか残りません。
そのため、同じヘルパーが同じ利用者に入り続けている間は問題が起きず、担当が替わった瞬間に情報が途切れるという形で表面化します。前掲のガイドラインが挙げる「利用者の記録を、必要な時に検索・閲覧することができていない」という課題は、この構造から生まれます。
訪問介護の数字で現状を見る
感覚論にしないために、公的な統計で現状を押さえます。ここで挙げる数字は、後のモデルケースの前提にもなります。
事業所3万7千・従事者52万人
厚生労働省の調査によると、令和6年10月1日現在で、訪問介護の事業所数は37,264事業所(前年比359事業所、1.0%の増加)です。訪問介護の訪問介護員数は520,612人で、うち介護福祉士が260,274人、初任者研修修了者が195,307人となっています(出典:厚生労働省「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査の概況」)。
経営主体を見ると、訪問介護は営利法人(会社)が73.2%、社会福祉法人が14.0%です。つまり訪問介護事業所の多くは、中小企業そのものです。情報システム部門を持たない、担当者が兼務、という状態が標準だと考えて設計する必要があります。
不足感83.4%は職種別で最高
人手の状況を示す数字が、介護労働安定センターの調査にあります。令和6年度調査では、従業員が不足しているとする事業所(「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計)の割合は、訪問介護員が83.4%と調査対象職種のうちで最も高く、より深刻な「大いに不足」「不足」の合計だけでも58.1%に達します。事業所全体の不足感が65.2%であることと比べると、訪問介護員の突出ぶりがわかります(出典:介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果の概要について」)。
一方で、訪問介護員の離職率は11.4%と4年連続で低下し、採用率は14.1%でした。辞める人が減っているのに足りないという状態です。ここから読み取れるのは、定着支援だけでは埋まらず、1人あたりの仕事の中身を軽くする方向も同時に要るということです。
もう1つ、訪問介護に固有の事情として年齢構成があります。厚生労働省が令和5年度の同調査をもとに集計した資料によると、訪問介護員は60歳以上が25.7%(60から64歳13.1%、65から69歳6.9%、70歳以上5.7%)、女性が83.0%を占めます(出典:厚生労働省「介護人材確保の現状について」)。4人に1人が60歳以上という前提で、操作の説明を設計しなければなりません。
サ責1人が11.3人を担当
訪問介護のAI活用を考えるうえで最も重要な数字が、ここです。介護労働安定センターの令和6年度調査では、サービス提供責任者が令和6年度調査のトピックスとして取り上げられました。
それによると、サ責1人が担当する訪問介護員は平均11.3人で、担当人数の分布は「6から10人」が32.3%、「1から5人」が27.6%と、10人以下が約6割です。そしてサ責の課題として最も多く挙げられたのが「サービス提供責任者が担当業務に専念できる時間が足りない」で60.3%、次いで「訪問介護員の指導・研修のための時間が確保できていない」が30.8%でした(出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査」の令和6年度結果)。
さらに示唆的なのが、業務比率の調査です。サ責の業務について「現在の比率」と「望ましい比率」を比べると、「訪問介護員に対する調整・指導・研修(同行訪問を除く)」は現在1.6に対し望ましい比率が2.0と、望ましい比率のほうが高くなっています。逆に「自分の訪問介護業務」は現在3.5に対し望ましい比率が2.6で、現在のほうが高い。サ責自身が「自分が訪問に出すぎていて、指導に回れていない」と感じているという構図です。
訪問系のICT利用の実態
すでにICTが入っているのかどうかも押さえておきます。同じ調査の訪問系事業所(回答2,734件)では、介護業務用のアプリが入ったタブレット端末・スマートフォンを日常的に利用している機能として、「利用者情報(ケア記録・ケアプラン等)の入力の機能」が56.6%、「他の職員との間で業務連絡できる機能」が47.5%となっています。
一方で、「入力した音声を文章(テキスト)に変える機能」は15.9%にとどまります。つまり、記録アプリは半数以上に入っているのに、音声入力までは届いていない。ここが、今から手を付ける余地の大きい部分です。
また、ICT機器等・介護ロボットの導入効果について「効果がある」「やや効果がある」と答えた割合は、訪問系では「昼間の業務負担の軽減」が41.9%(全体49.4%)でした。入れれば必ず楽になるわけではないという現実も、同じ調査が示しています。
AIに任せてよい業務の線引き
ここからが本題です。数字を見たうえで、では何をAIに任せ、何を人が持つのか。当社が訪問介護事業所のご相談を受けるとき、最初にお渡しするのが次の表です。
線引き表で範囲を決める
| 業務 | AIに任せてよい範囲 | 人が必ず行うこと |
|---|---|---|
| 訪問記録・サービス提供記録 | ヘルパーのメモの整形、言い回しの統一、記載漏れ項目の指摘 | 事実関係の確認、実施したケアの内容の確定、記録者としての責任 |
| 申し送り・情報共有 | 複数の記録から要点の抽出、次の訪問者向けの短い要約の作成 | 伝える範囲の判断、緊急度の判断、伝わったかの確認 |
| 訪問介護計画 | アセスメント情報の整理、目標や援助内容の文案のたたき台 | 個別性の判断、内容の決定、利用者・家族への説明と同意、交付 |
| 介護報酬・加算の算定 | (原則として使わない)確認すべき観点の一覧づくりまで | 算定の可否判断、請求内容の確定と最終責任 |
| ヘルパー向け手順書 | 口頭説明の書き起こし、手順の番号付け、抜けの指摘 | 手順の正しさの確認、事業所としての承認、更新の判断 |
| 家族・居宅への連絡文 | 連絡文・報告文の下書き、言い換え、文章の整え | 伝える内容の決定、送付の可否、宛名や日付の記入 |
| 事故・ヒヤリハット報告 | 時系列の整理、書式に沿った下書き、記載漏れの指摘 | 事実確認、原因の分析、市町村への報告内容の確定 |
| シフト・訪問スケジュール | 調整の考え方の整理、変更連絡文の下書き | 人員基準との整合、実際の割り当ての決定 |
| 採用・研修 | 求人票の下書き、研修資料の構成案、勉強会の進行案 | 労働条件の決定、資格要件の確認、評価 |
この表の肝は「介護報酬・加算の算定」の行です。左の列に入っているのは「確認すべき観点を並べる」までで、算定できるかどうかの判断は1つも入っていません。ここを混ぜないことが、訪問介護でAIを使う際の最大の条件です。
介護報酬の算定は任せない
なぜ算定判断を任せてはいけないのか。理由は2つあります。
1つ目は、生成AIの出力には不正確な内容が含まれるリスクがあることです。個人情報保護委員会は、生成AIサービスについて「入力されたプロンプトに対する応答結果に不正確な内容が含まれることがある」とし、その理由を「当該文章は確率的な相関関係に基づいて生成されるため」と説明しています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。自然な文章として出てくるぶん、誤りがもっともらしく見えるのが厄介な点です。
2つ目は、介護報酬は制度改定と地域のルールで変わることです。加算の要件、体制届出の状況、市町村ごとの取扱いによって答えが変わります。生成AIがどの時点のどの資料にもとづいて答えたのかは、出力からは判別できません。
ではAIをどう使うか。答えは「調べる方向を出させる」です。たとえば「この加算について確認すべき観点を、要件・記録・体制・届出の4区分で列挙して」と指示し、出てきた観点を人が原文で潰していく。この使い方なら、AIが間違えても人が原文で確認する工程が残るため、誤りが請求まで通りません。
線引きを紙1枚にして配る
線引きは、頭の中にあるだけでは守られません。訪問介護は職員が事業所にいないので、口頭での周知が最も届きにくい業種です。
実務では、上の表をA4用紙1枚に印刷し、サ責の机の横に貼るだけでなく、登録ヘルパー全員に紙で配るところまでをセットにしてください。あわせて、事業所の連絡アプリの固定メッセージにも同じ内容を置きます。ルール文書そのものの作り方は社内AIルールの作り方で詳しく解説しています。
厚生労働省の「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」の取りまとめでは、文書負担軽減について「専門職等が利用者のケアに集中し、ケアの質を確保する観点から、極めて重要な課題である」と位置づけられています(出典:厚生労働省「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会 取りまとめ」)。何のために軽くするのかを、線引き表の最初に書いておくと、現場の納得が変わります。
AIで軽くなる5つの業務
線引きが決まったら、どこから手を付けるかです。訪問介護で効果が出やすい順に、5つ挙げます。
訪問記録の整形と抜け確認
最初に手を付けるべきはここです。ヘルパーが訪問直後にスマートフォンへ短く吹き込んだ音声、または箇条書きのメモを、訪問記録の体裁に整える作業です。
具体的な流れはこうです。ヘルパーは訪問後、玄関を出たところで30秒だけ音声入力する。「今日は入浴介助、湯温はぬるめで希望どおり、右膝の痛みの訴えあり、食欲は普段どおり、次回は手すりの位置を確認」。この程度の走り書きを、生成AIに渡して、事業所の記録様式の項目に沿って並べ直させます。
ここでの生成AIの役割は2つです。1つは文章に整えること。もう1つは抜けを指摘させることで、「バイタルの記載がありません」「実施時間の記載がありません」と返させる指示を入れておきます。訪問介護の記録は、指定居宅サービス基準第19条第2項により「提供した具体的なサービスの内容等」を記録することが求められ、第39条第2項により完結の日から2年間保存する義務があります。抜けは後から効いてきます。
注意点は、整形されたものはあくまで下書きだという点です。記録者本人が読んで、事実と違う部分を直してから確定する。この工程を省いた瞬間に、この使い方は成立しなくなります。
申し送りの要約と共有
2つ目が、訪問介護でいちばん壊れやすい部分、申し送りです。
訪問介護の申し送りが難しいのは、読む側が「移動中に、スマホで、片手で」読むからです。長い申し送りは読まれません。かといって短くしすぎると、大事なことが落ちます。
ここで生成AIに任せるのは、直近の複数回の訪問記録から、次に入るヘルパーが知っておくべきことだけを3行に落とす作業です。「変化があったこと」「継続して見てほしいこと」「今回だけの申し送り」の3項目に固定して出させると、読む側の負担が一気に下がります。
前述のとおり、サ責の課題の第2位は「訪問介護員の指導・研修のための時間が確保できていない」(30.8%)でした。申し送りの要約に取られている時間は、本来こちらに回したい時間です。なお、同調査では、サ責が担当ヘルパーに対して「仕事上の課題などに関する相談や指導など」を実施している場合、担当ヘルパーの離職率が「10%未満」である割合が63.0%と、実施していない場合の50.5%より高いという結果も示されています。これは関連を示したものであって、AIを入れれば離職率が下がるという意味ではありません。時間を作った先に何をするかが本題だ、という材料として読んでください。
ヘルパー向け手順書の下書き
3つ目は、属人化への対策です。訪問介護では、「Aさん宅はこの順番でないと機嫌を損ねる」「玄関の鍵は3回まわす」といった、その人しか知らない手順が必ず生まれます。
前掲の厚生労働省のガイドラインでは、生産性向上のための7つの取組の1つに「手順書の作成」が挙げられ、「職員の経験値、知識を可視化・標準化することで、若手を含めた職員全体の熟練度を養成する道筋を作る」と説明されています。理屈はわかっていても、書く時間がないのが実情です。
現実的な方法は、やっている人に3分だけ話してもらい、その音声入力の文章をAIに整形させることです。「初めて入る人ができるように、手順書の形にして。訪問前の準備、玄関での対応、実施の順番、つまずきやすい点、困ったときの連絡先の順で」と指示すると、たたき台が出ます。あとは本人とサ責が読んで直せば、30分で1本の手順書ができます。
この方法を続けると、半年で20本から30本の手順書が溜まります。利用者が入れ替わっても、書き方の型が残るのが利点です。手順書づくりの進め方そのものは日報作成をAIで行う方法の考え方が応用できます。
訪問介護計画の文案の下書き
4つ目が訪問介護計画です。ここは慎重に扱う必要がある領域なので、範囲をはっきり書きます。
訪問介護計画の作成は、指定居宅サービス基準第24条によりサ責の職務です。居宅サービス計画が作成されている場合はその内容に沿って作成し、内容を利用者または家族に説明して同意を得て、交付し、作成後は実施状況を把握して必要に応じて変更する。この一連は、すべて人が行うことです。
生成AIに任せてよいのは、その手前の整理と、文章の書き出しだけです。たとえば、直近3か月のモニタリング記録から状態の変化を時系列で並べ直す。あるいは、サ責が決めた目標を、利用者本人が読んでわかる言葉に言い換える。この程度にとどめてください。
「目標を考えさせる」「援助内容を提案させる」使い方は、当社としてはおすすめしません。訪問介護計画は個別性が核であり、生成AIは平均的で無難な文章を出すのが得意だからです。ケアプランとLIFE対応でのAI活用の考え方は介護のケアプラン作成・LIFE対応で整理しています。
家族と居宅への連絡文
5つ目は、外部への文章です。家族への状況報告、居宅介護支援事業所のケアマネジャーへの情報提供、事故やヒヤリハットの報告書。訪問介護では、この「事業所の外へ出す文章」の比重が施設より大きくなります。
理由は、サ責の職務に、居宅介護支援事業者等に対して利用者の服薬状況や口腔機能その他の心身の状態・生活の状況に係る必要な情報の提供を行うことが明記されているためです(同基準第28条第3項)。義務として書く文章がある、ということです。
ここは生成AIの得意分野ですが、1つだけ守ってほしい運用があります。利用者の氏名や住所は入力せず、雛形として作り、送付時に人が差し込むことです。「(利用者名)様」「(訪問日)」のまま作らせ、最後に人が埋める。この一手間で、入力する情報から個人が特定される可能性を大きく下げられます。詳しくは後述の「利用者情報を守る6つのルール」で扱います。
そのまま使えるプロンプト例
ここからは実物です。生成AIに入力する指示文をプロンプトと呼びます。以下の4つは、コピーして自事業所の言葉に差し替えれば、そのまま使えます。いずれも利用者の氏名・住所・生年月日・被保険者番号を入力しない前提で書いています。
訪問記録を整えるプロンプト
ヘルパーの走り書きや音声入力の文章を、記録様式に沿った下書きにするためのプロンプトです。
あなたは訪問介護事業所で記録の様式を整える担当者です。 以下のメモを、当事業所の訪問記録の下書きに整えてください。 【当事業所の記録様式の項目】 ・訪問日時(開始と終了) ・サービス区分(身体介護/生活援助/通院等乗降介助) ・実施した内容 ・利用者の心身の状況で気づいたこと ・利用者や家族からの発言 ・次回への申し送り ・特記事項 【ヘルパーのメモ】 (ここに、音声入力した文章か箇条書きのメモを貼る) 【守ること】 ・メモに書かれていないことは書き足さない。推測で埋めない ・書かれていない項目は「記載なし(要確認)」と明記する ・医学的な判断や診断名の推定はしない。訴えは訴えとしてそのまま書く ・利用者の氏名は「利用者」とだけ書き、実名を出力しない ・一文は短くし、専門用語は事業所内で通じる言い方に統一する ・最後に「記載が不足している項目」を箇条書きで指摘する
最後の1行が重要です。整えるだけでなく、抜けを指摘させることで、記録の質が上がります。指摘された項目は、記録者本人が思い出して埋めます。
申し送りを要約するプロンプト
次に入るヘルパーが移動中に読める長さの申し送りを作るプロンプトです。
あなたは訪問介護のサービス提供責任者です。 以下の訪問記録から、次に訪問するヘルパー向けの申し送りを作ってください。 【訪問記録(直近3回分)】 (ここに、氏名を伏せた訪問記録の本文を貼る) 【出力の形】 1. 前回からの変化(2行以内) 2. 継続して見てほしいこと(2行以内) 3. 今回だけの申し送り(1行。なければ「なし」) 【守ること】 ・全体で5行を超えない。スマートフォンで一目で読める長さにする ・記録に書かれていない推測、原因の断定、診断名の推定はしない ・「様子を見る」など曖昧な表現は使わず、何をどう見るかを書く ・緊急性が高いと思われる記述があれば、冒頭に「要確認」と付けて示す ・氏名、住所、電話番号、事業所名は出力しない
「緊急性が高いと思われる記述があれば冒頭に示す」という指示は入れていますが、緊急かどうかの判断は必ず人が行ってください。AIに拾わせるのは候補の提示までで、動くかどうかを決めるのはサ責です。
手順書を作るプロンプト
ベテランの頭の中を、新しいヘルパー向けの手順書に書き起こすプロンプトです。
あなたは訪問介護の手順書を作る担当者です。 以下の説明を、初めてこの訪問に入る人が読んでわかる手順書にしてください。 【説明(担当者が口頭で話した内容)】 (ここに、3分程度話した音声入力の文章を貼る) 【手順書の構成】 ・この訪問の目的(2行) ・訪問前の準備(持ち物・確認事項) ・到着してから帰るまでの手順(番号を振る) ・つまずきやすい点と、そのときの対応 ・困ったときの連絡先(連絡先は「(要記入)」とする) 【守ること】 ・説明に出てこない手順は追加しない。足りない箇所は「(要確認)」と書く ・利用者の氏名、住所、部屋番号、鍵の情報は書かない。 「利用者宅」「所定の方法」と置き換える ・医療行為にあたる可能性のある内容が含まれていたら、 手順にせず「事業所で要確認」として別枠に出す ・一文は40字以内。番号を振り、1手順1動作にする
3つ目の指示は、訪問介護で特に重要です。医行為と介護の線引きに関わる内容が口頭説明に混ざることがあり、それを手順書に清書してしまうと、事業所の手順として固定されてしまいます。別枠に出させて、必ず人が確認する運用にしてください。
苦情の一次整理プロンプト
4つ目は、苦情や事故・ヒヤリハットの一次整理です。動揺している状態で書くと時系列が乱れがちなので、整理だけをAIに任せます。
あなたは訪問介護事業所で報告書の下書きを作る担当者です。 以下のメモから、事実関係を時系列に整理した下書きを作ってください。 【担当者のメモ】 (ここに、聞き取った内容や気づいたことをそのまま貼る) 【出力の形】 ・発生日時と場所(わからない部分は「(要確認)」とする) ・何が起きたか(事実のみ。時系列で番号を振る) ・そのとき誰が何をしたか ・現時点で確認できていないこと(箇条書き) 【守ること】 ・原因の推定、責任の所在、再発防止策は書かない。事実の整理だけを行う ・メモにない内容は補わない ・氏名は「利用者」「担当ヘルパー」「サービス提供責任者」と役割で書く ・感情的な表現、評価を含む言葉(不注意、怠慢など)は使わない
ここでも、原因分析と再発防止策はAIに書かせません。事故報告は市町村への報告につながる文書であり、原因の見立てを外部の道具に委ねるべきではないからです。整理された事実を見ながら、人が考えます。
自事業所用に直すコツ
上の4つは、そのままでも動きますが、自事業所向けに直すと精度が上がります。直し方は3つです。
1つ目は、記録様式の項目をそのまま貼ること。使っている介護ソフトの入力項目を、プロンプトの「様式の項目」欄にコピーするだけで、出力が実務に合います。
2つ目は、禁止事項を先に書くこと。「推測で埋めない」「診断名を書かない」「氏名を出力しない」「書かれていないことは要確認と書く」。この4つは、訪問介護で使うすべてのプロンプトに共通で入れてよい指示です。
3つ目は、出力の形を固定すること。項目名を並べて指定すると、毎回同じ形で返ってきます。形が揃うと、後から検索でき、他のヘルパーが読めるようになります。プロンプトの考え方そのものはAIリテラシーとは何かでも整理しています。
【モデルケース】訪問介護事業所
以下は実在の事業所の実績ではなく、当社が想定する典型的な状況にもとづくモデルケース(試算)です。実際の効果は、利用者数、サービス区分の構成、現在の記録のやり方、担当者の習熟度によって大きく変わります。効果を保証するものではありません。
想定する事業所の状況
地方都市の住宅地で訪問介護を営む事業所Hを想定します。利用者85名、常勤のサービス提供責任者2名、管理者1名(サ責と兼務)、常勤ヘルパー4名、登録ヘルパー22名という構成です。営利法人(会社)で、事務職員は1名のみ。介護ソフトは導入済みで、ヘルパーはスマートフォンのアプリから記録を入力できる状態です。
困っているのは次の点です。登録ヘルパーの半数以上が手書きメモを持ち帰り、サ責が夜に清書している。担当が替わったときの申し送りが電話頼みで、サ責の携帯が鳴り続ける。手順書はほとんどなく、10年勤めたベテランが担当している5世帯は、その人以外が入れない。訪問介護計画の更新月には、サ責2名が残業でしのいでいる。
この「特定のヘルパーしか入れない世帯がある」という状態が、訪問介護で最も重いリスクです。事業所Hでは、まずその5世帯の手順書づくりを最初の目的に置きました。
月間の削減時間の試算
書く仕事を5つに分解し、AI導入前後の月間時間を試算しました。前提は、時間当たりの人件費を2,200円と仮定し、月20営業日で計算しています。計画更新など月内で偏りのある業務は、月合計で計上しています。対象はサ責2名と事務職員1名の作業時間です。
| 業務 | 導入前 (時間/月) |
導入後 (時間/月) |
削減時間 (時間/月) |
金額換算 (円/月) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問記録の清書・整形・確認 | 32 | 18 | 14 | 30,800 |
| 申し送りの作成と個別連絡 | 20 | 10 | 10 | 22,000 |
| 訪問介護計画・モニタリングの文案 | 24 | 16 | 8 | 17,600 |
| 家族・居宅への連絡文、事故報告 | 12 | 6 | 6 | 13,200 |
| 手順書・マニュアルの作成更新 | 10 | 4 | 6 | 13,200 |
| 合計 | 98 | 54 | 44 | 96,800 |
月44時間、年間にすると528時間です。この44時間は「なくなる」のではなく「別の用途に移せる」時間です。事業所Hでは、サ責の同行訪問と、ヘルパーからの相談対応に充てる計画を立てました。前述のとおり、サ責の課題の第1位は「担当業務に専念できる時間が足りない」(60.3%)でした。作った時間の行き先を決めておかないと、別の業務で埋まるだけになります。
なお、この試算に介護報酬の請求業務の時間短縮は入れていません。請求は人が行う前提で据え置いています。減っているのは、その周辺にある「書く」「整える」「伝える」の時間だけです。訪問そのものの時間も、当然ながら1分も減りません。
つまずいた点と直し方
正直に書きますが、事業所Hも最初からうまくいったわけではありません。訪問介護で実際に起きやすいつまずきを3つ挙げます。
1つ目は、登録ヘルパーが音声入力を使わなかったこと。導入から2週間で使っていたのは22名中4名でした。理由を聞くと「利用者宅の前で話すのが気まずい」「同居家族に聞こえる」というものでした。ここは道具の問題ではなく場所の問題です。事業所Hは「音声入力は利用者宅を出て、次の移動を始めてから」という運用ルールに変え、あわせて短い箇条書きの入力でもよいことにしました。1か月後には13名が使うようになりました。
2つ目は、AIが書いた文章がそれらしすぎたこと。整形された訪問記録は日本語として自然でしたが、メモになかった「安定して経過している」という表現が加わっていたことがありました。ここはプロンプトに「メモにないことは書かない」「不足は要確認と明記する」を追加し、あわせて「整形後は必ず本人が読んでから確定する」を手順書に明記して解決しました。
3つ目は、利用者名が入ったまま貼り付けられたこと。申し送りを要約させるとき、記録に利用者の氏名が含まれたまま入力された事例が1件ありました。事業所Hはこれを機に、「貼り付ける前に氏名を検索して置き換える」を手順書に明記し、あわせて学習に利用されない設定のサービスに切り替えました。この論点は次の章で詳しく扱います。
費用の考え方
当社の支援を利用する場合、初期費用0円、月額5万円が標準です。この中で、業務の棚卸し、線引き表の作成、プロンプトの作成と調整、ヘルパー向けの説明資料づくり、運用が回るまでの伴走を行います。
これとは別に、生成AIサービス自体の利用料がかかります。1人あたり月額数千円程度が目安ですが、サービスとプランによって変わります。訪問介護の場合、全ヘルパーにアカウントを配る必要はなく、サ責と事務職員だけに配って、ヘルパーは記録アプリに入力するだけという構成から始めるのが現実的です。
ここも正直にお伝えします。上の試算では、削減時間の金額換算(月96,800円)と当社の顧問料(月50,000円)の差は月4万円台です。金額の差だけを見れば、大きな話ではありません。
それでも意味があるとすれば、「その44時間で何を残すか」にあります。事業所Hの場合は、ベテランしか入れない5世帯の手順書を残すことでした。ここに時間を使えなければ、そのベテランが辞めた瞬間に5世帯のサービスが止まり、その損失は月4万円では収まりません。逆に、手順書が整っていて、サ責に余裕があり、辞める予定の人もいない事業所であれば、導入を急ぐ必要はありません。当社としては、そう申し上げます。
当社は、生成AIによる書類・記録業務の効率化を専門とするAI導入支援の事業者です。訪問介護事業所向けには、線引き表の作成、記録と申し送りのプロンプト整備、ヘルパー向け手順書づくりの伴走をお手伝いしています。支援の内容は医療・介護向けのAI導入支援にまとめています。費用は初期費用0円、月額5万円が標準です。まずは無料相談で、自事業所のどの業務から着手できるかをご相談ください。
利用者情報を守る6つのルール
訪問介護でAIを使うときに、避けて通れないのが利用者情報の扱いです。しかも訪問介護は、事業所の外で、私物に近い端末で、通信環境の不安定な場所で記録を書くという条件が重なります。ここは一次情報にもとづいて正確に書きます。
介護記録は要配慮個人情報
まず前提です。個人情報保護委員会と厚生労働省が公表しているガイダンスでは、医療機関等および介護関係事業者において想定される要配慮個人情報として、「介護関係記録に記載された病歴」や、患者の身体状況・病状・治療等について知り得た情報、障害の事実などが挙げられています(出典:個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」)。
要配慮個人情報とは、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないように取扱いに特に配慮を要する情報のことです。取得や第三者提供には原則として本人同意が必要で、オプトアウトによる第三者提供は認められていません(出典:個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者において取り扱う「要配慮個人情報」には、具体的にどのようなものがありますか」)。
つまり、訪問記録に書かれている「右膝の痛みの訴え」「服薬の状況」は、通常の個人情報より一段厳しい扱いを受ける情報だということです。ここを共有の出発点にしてください。
スマホで書くとどこへ行くか
次に、実務でいちばん誤解されている点です。「スマホで記録を書く」と一口に言っても、データの行き先は3つに分かれます。
- 介護ソフトの記録アプリに入力する。データは事業所が契約している介護ソフトのサーバーに入ります。契約先は法令上の委託先にあたります。
- スマートフォンの標準の音声入力を使う。端末やOSの設定によっては、音声データが端末メーカーやOS提供事業者のサーバーで処理される場合があります。設定画面で確認が必要です。
- 生成AIのアプリやブラウザに直接貼り付ける。入力内容は、そのAIサービスの提供事業者に渡ります。プランや設定によっては、学習に使われることがあります。
3つのうち、いちばん危ないのは3番です。個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者に向けて「あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AIサービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該個人情報取扱事業者は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある」と明示し、そのため「当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」を求めています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。
実務に落とすと、こうなります。ヘルパーの端末には生成AIのアプリを入れない。生成AIに触れるのは、事業所のパソコンで、サ責と事務職員だけ。ヘルパーが書くのは介護ソフトの記録アプリまで。この分け方にすると、上の3番の経路が発生しません。事業所Hのモデルケースで「サ責と事務職員だけにアカウントを配る」としたのは、費用の話であると同時に、この経路を閉じるためでもあります。
学習に使わせない確認
それでも、サ責が生成AIに記録の一部を貼り付ける場面は残ります。ここで必要なのが、契約とプランの確認です。
確認すべきは3点です。第1に、入力した内容が学習に使われない設定になっているか。無料版と法人向けプランで扱いが異なるサービスが多いため、プランの規約で確認します。第2に、データがどの国のサーバーで処理されるか。第3に、入力内容がどれだけの期間保存されるかです。
この確認は「念のため」ではありません。ガイダンスは、業務を委託する場合の留意事項として「個人情報を適切に取り扱っている事業者を委託先(受託者)として選定する」「契約において、個人情報の適切な取扱いに関する内容を盛り込む」「受託者が個人情報を適切に取り扱っていることを定期的に確認する」ことを求めています。生成AIサービスの利用が個人データの取扱いの委託にあたる場合、この監督義務が事業所側に生じます。
端末の紛失と持ち出し対策
訪問介護に固有の論点が、端末の紛失です。ヘルパーは1日に数か所を移動し、自転車や公共交通機関を使います。施設介護では起きにくい形で、端末が事業所の外に出続けます。
ガイダンスは、物理的安全管理措置として「記録機能を持つ媒体の持込み・持出しの禁止又は検査の実施等」を挙げ、さらに「スマートフォン、パソコン等の記録機能を有する機器の接続の制限及び機器の更新への対応」を求めています。技術的安全管理措置としては、IDやパスワード等による認証について「認証の3要素である『記憶』『生体情報』『物理媒体』のうち、2つの独立した要素を組み合わせて認証を行う方式(二要素認証)を採用することが望ましい」と明記されています(出典:個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」)。
訪問介護の実務では、最低限これだけは決めてください。端末に画面ロックと生体認証をかける。記録アプリのログイン情報を端末に保存しない。私物端末を使う場合は、記録データを端末内に残さない設定にする。紛失したときの連絡先と、遠隔でロックする手順を、紙に書いてヘルパー全員に配る。セキュリティ全般の考え方は中小企業のセキュリティ対策にまとめています。
漏えいは報告義務がある
ここは誤解が多い部分なので、はっきり書きます。要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知の対象です。ガイダンスに引かれている規則第7条第1号の文言がこれです。
重要なのは、件数の下限がないことです。1,000人を超える漏えいは別に定められていますが、要配慮個人情報については人数の条件がありません。訪問介護でいえば、利用者1名分の記録が入った端末を紛失した時点で、報告対象になり得ます。「1人だけだから」で片付く話ではないと理解してください。
また、委託している場合は「原則として委託元と委託先の双方が報告する義務を負う」とされています。介護ソフト事業者側で事故が起きた場合も、事業所側の対応が必要になります。連絡体制を先に決めておくことが、実務上の備えになります。
委託先の監督という論点
最後に、見落とされやすい論点です。訪問介護事業所は、記録の保管を介護ソフト事業者に、請求業務を外部に委託していることがあります。そこに生成AIサービスが加わると、委託先が1つ増えます。
ガイダンスは、業務が再委託された場合について「再委託先が不適切な取扱いを行ったことにより、問題が生じた場合は、医療・介護関係事業者や再委託した事業者が責めを負うこともあり得る」としています。介護ソフトが内部で生成AIの機能を使っている場合、それがどの事業者のどのサービスなのかを確認する必要があります。
実務的には、介護ソフトの営業担当者に「このAI機能はどこの会社の何というサービスを使っていて、入力データは学習に使われますか」と1回聞くだけで足ります。答えられない場合は、その機能の利用を保留にしてください。
訪問介護でよくある失敗4つ
当社がご相談を受ける中で、訪問介護に特有の失敗が4つあります。いずれも対策とセットで書きます。
記録の下書きをそのまま提出
最も多い失敗です。生成AIが整えた訪問記録は日本語として自然なので、読み返さずに確定してしまう。すると、メモになかった表現や、断定を含む言い回しが記録に残ります。
訪問記録は、指定居宅サービス基準により2年間保存する記録であり、指導監査の際に確認される文書でもあります。事実と違う記述が残ることの重さは、業務効率とは比較になりません。
対策は運用でしかありません。「AIが整えたものは下書き。記録者本人が読んで直してから確定する」を手順書に明記し、記録アプリの画面にも表示させる。これを守れない場合は、記録の整形にAIを使うのをやめてください。
利用者名を入れて貼り付け
2つ目は、氏名や住所が入ったまま生成AIに貼り付けてしまうことです。急いでいるときほど起こります。
対策は3段構えにします。第1に、プロンプトの冒頭に「氏名を出力しない」と書く。第2に、貼り付ける前に、記録から氏名を検索して「利用者」に置き換える手順を決める。第3に、学習に利用されない設定のサービスを使う。3つ目だけに頼らないことが大事です。
サ責1人だけが使って終わる
3つ目は、導入したものの、詳しいサ責1人だけが使って終わるパターンです。訪問介護は職員が集まらないため、施設よりもこの失敗が起きやすくなります。
対策は、成果物を先に共有することです。AIの使い方を教えるのではなく、AIで作った申し送りの雛形や手順書を、まず全員に配る。「これ、便利ですね」という反応が出てから、作り方を共有する。この順番にすると、興味を持った人から自然に広がります。ツールの説明会から入ると、訪問介護ではまず集まりません。
全ヘルパーに一斉導入する
4つ目は、逆方向の失敗です。良かれと思って、登録ヘルパー全員に一斉に新しい入力方法を導入してしまう。
前述のとおり、訪問介護員は60歳以上が25.7%を占めます。スマートフォンの操作に不安のある方が一定数いる前提で進めるべきで、一斉導入は「聞ける相手がいないまま、全員が同時に困る」状況を作ります。
対策は、使えそうな3人から始めて、その3人を相談役にすることです。事業所Hのモデルケースでも、最初に定着したのは22名中4名でした。この4名が他のヘルパーの質問に答えられるようになってから広げたことで、1か月後に13名まで増えています。
AIを使わないほうがよい場面
当社はAI導入支援の会社ですが、訪問介護にはAIを使うべきでない場面がはっきりあります。正直に書きます。
緊急時と急変時の判断
まず、これは絶対です。指定居宅サービス基準第27条は、訪問介護員等に対し、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は速やかに主治の医師への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないと定めています。
この場面で生成AIに何かを聞く時間はありませんし、聞くべきでもありません。迷ったら人に連絡する。これが唯一の正解です。緊急時の連絡先と判断の目安は、AIとは別に、紙で全員が持っている状態にしてください。
紙とホワイトボードで足りる時
次に、規模の話です。利用者が20名程度で、ヘルパーが5名、全員が週に1回は事業所に顔を出す。この規模なら、ホワイトボードと紙の申し送りノートで十分に回ります。
厚生労働省のガイドラインが挙げる生産性向上の7つの取組は、職場環境の整備、業務の明確化と役割分担、手順書の作成、記録・報告様式の工夫、情報共有の工夫、OJTの仕組みづくり、理念・行動指針の徹底です。ICTやAIはこのうち「情報共有の工夫」と「記録・報告様式の工夫」を助ける手段にすぎず、7つのうちの5つは道具と関係ありません(出典:厚生労働省「介護分野における生産性向上について」)。
実際、当社がご相談を受けて「今はAIより、記録の様式を減らすほうが先です」とお伝えすることがあります。書式が3種類あって同じことを3回書いているなら、まず書式を1つにする。これはAIの仕事ではありません。
通信環境が確保できない場合
3つ目は、物理的な条件です。訪問先が山間部や地下、鉄筋の建物の奥で、電波が届かない。この状態で通信を前提にした仕組みを入れると、入力しようとして待たされ、結局あきらめて紙に戻るという結果になります。
この場合の解は、オフラインで入力できる仕組みを先に整えることです。生成AIは通信が必要なので、ヘルパー側はオフラインでメモを取り、事業所側で整形するという分担にします。ここでも、ヘルパーの端末に生成AIを入れない構成が有利に働きます。
始め方と1か月の進め方
最後に、具体的な進め方です。訪問介護の事業所が最初の1か月で何をするかを、週単位で書きます。
まず1業務だけ選ぶ
選ぶ基準は3つです。毎週発生すること、サ責か事務職員が行っていること、失敗しても利用者に直接の影響が出ないこと。この3つを満たすのは、多くの事業所で「申し送りの要約」か「手順書の作成」です。
訪問記録の整形から始めたくなりますが、記録は保存義務のある文書なので、慣れてから手を付けるほうが安全です。まず手順書で、AIの出力の癖と、確認にどれくらい時間がかかるかを体感してください。
4週間の進め方
1週目。線引き表を作ります。この記事の表をたたき台にして、自事業所の言葉に直します。使う生成AIサービスを決め、学習に利用されない設定を確認します。この時点ではまだ現場に出しません。
2週目。サ責1名が、手順書のプロンプトを使って3本作ります。ベテランに3分話してもらい、整形させ、読んで直す。1本あたり30分を目安にします。ここで「思ったより直しが多い」と感じたら、プロンプトの禁止事項を足します。
3週目。できた手順書を、対象の世帯に入るヘルパー全員に紙で配ります。作り方の説明はしません。成果物だけを見せます。同時に、線引き表も配ります。反応を集めます。
4週目。興味を示した2名から3名に、作り方を共有します。あわせて、申し送りの要約に対象を広げます。ここまでで、当社の支援に入る場合は初月が終わります。
続けるための決めごと
3か月続けるために、最初に決めておくことが3つあります。
1つ目は、作った時間の行き先です。「浮いた時間で同行訪問を月2回増やす」のように、具体的に決めます。決めないと別の業務で埋まります。
2つ目は、やめる条件です。「2か月経ってサ責の残業が減らなければやめる」と決めておくと、続けること自体が目的化しません。
3つ目は、プロンプトの置き場所です。共有フォルダに1つのファイルを作り、使っているプロンプトを全部そこに置きます。属人化を避けるためのAIが属人化しては本末転倒です。人員配置やシフトの組み方まで含めて見直したい場合は、シフト作成のAI活用もあわせてご覧ください。医療機関の事務職の進め方は医療事務のAI活用で扱っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 訪問介護でAIは何に使えますか?
A. 訪問記録の整形、申し送りの要約、ヘルパー向け手順書の下書き、訪問介護計画の文案のたたき台、家族や居宅介護支援事業所への連絡文の下書きの5つが中心です。いずれも人が見聞きした事実を文章に整える作業で、判断そのものは含みません。
Q. 介護報酬の算定はAIに聞けますか?
A. 算定できるかどうかの判断は聞かないでください。生成AIの応答は確率的な相関関係にもとづいて生成されるため、不正確な内容が含まれるリスクがあると個人情報保護委員会も指摘しています。使ってよいのは「確認すべき観点を列挙させる」までで、答えは告示・通知の原文と指定権者への確認で得てください。
Q. 利用者の名前を入力してよいですか?
A. 入力しない運用を強くおすすめします。介護関係記録に記載された病歴等は要配慮個人情報にあたり、通常の個人情報より厳しい扱いが求められます。氏名は「利用者」に置き換え、連絡文は雛形として作って送付時に人が差し込む形にしてください。
Q. サ責の負担は減りますか?
A. 書く仕事の時間は減らせる可能性がありますが、効果を保証するものではありません。介護労働安定センターの調査では、サ責の課題の第1位が「担当業務に専念できる時間が足りない」(60.3%)でした。減らした時間を何に使うかを先に決めておかないと、別の業務で埋まります。
Q. ヘルパーのスマホに入れる?
A. 当社としてはおすすめしません。ヘルパーの端末は介護ソフトの記録アプリまでにとどめ、生成AIに触れるのは事業所のパソコンでサ責と事務職員だけ、という構成が安全です。入力データの行き先が管理しやすくなり、費用も抑えられます。
Q. 音声入力は使えますか?
A. 使えますが、場所のルールを先に決めてください。利用者宅の前や玄関先で話すことに抵抗を感じるヘルパーは少なくありません。「利用者宅を出て移動を始めてから」といった運用ルールと、箇条書きの文字入力でもよいという逃げ道を用意しておくと定着しやすくなります。
Q. 高齢のヘルパーでも使えますか?
A. 全員に一斉導入するのは避けてください。訪問介護員は60歳以上が25.7%を占めます。まず使えそうな3人から始め、その人たちが相談役になってから広げる進め方が現実的です。ヘルパー側の操作を増やさない設計にすることが前提です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 当社の支援は初期費用0円、月額5万円が標準です。これとは別に生成AIサービスの利用料が1人あたり月額数千円程度かかります。まず無料の範囲で試してから決めていただいて構いません。
Q. 記録の保存期間はどうなりますか?
A. 訪問介護計画やサービス提供の記録は、指定居宅サービス基準により完結の日から2年間の保存が必要です。生成AIで整形した場合も、保存されるのは事業所が確定した記録であり、AIサービス側に置いたままにするものではありません。
Q. 情報が漏れたらどうなりますか?
A. 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態は、人数にかかわらず個人情報保護委員会への報告と本人への通知の対象になり得ます。利用者1名分でも対象です。紛失時の連絡手順を紙で配っておいてください。
Q. 介護ソフトのAI機能は使える?
A. 使う前に、その機能がどの事業者のどのサービスを利用していて、入力データが学習に使われるかを営業担当者に確認してください。委託先の監督は事業所側の義務であり、再委託先の取扱いによって事業所が責めを負うこともあり得ます。
Q. 小規模な事業所でも意味ある?
A. 利用者20名程度で全員が週1回は事業所に顔を出す規模なら、紙とホワイトボードで十分に回ります。まず記録様式を減らすほうが先です。特定のヘルパーしか入れない世帯がある場合は、手順書づくりの手段として検討する価値があります。
Q. 施設の記録との違いは何ですか?
A. 書く場所と読む場所が離れている点です。施設は同じ建物の中で完結しますが、訪問介護は移動中に書き、別の日に別の人が読みます。施設の記録業務のAI活用は医療・介護のAI活用の記事で扱っています。
Q. どのくらいで効果が見えますか?
A. 手順書づくりであれば2週目には目に見える成果物が出ます。記録や申し送りの時間短縮は、運用が定着する2か月目以降が目安です。効果を確認する指標を先に1つ決めておくことをおすすめします。
まとめ:判断は人、下書きはAI
訪問介護のAI活用について、最後に要点を整理します。
- 訪問介護は、直行直帰・移動中の記録・サ責への業務集中・訪問ごとの情報分断という4つの前提があり、施設向けの話がそのままでは通用しない
- AIに任せてよいのは、訪問記録の整形、申し送りの要約、手順書の下書き、計画の文案、連絡文の下書きまで。介護報酬の算定判断は任せない
- サ責の課題の第1位は「担当業務に専念できる時間が足りない」(60.3%)。作った時間の行き先を先に決める
- 介護関係記録に記載された病歴等は要配慮個人情報。ヘルパーの端末には生成AIを入れず、事業所側で扱う構成が安全
- 要配慮個人情報の漏えい等は、利用者1名分でも報告対象になり得る
- 利用者20名規模で全員が顔を合わせられるなら、まず記録様式を減らすほうが先
訪問介護の負担は、介護そのものより「介護のことを離れた場所にいる人に伝えるための文章」に集中しています。そこは文章の仕事です。だからこそ、下書きと整理を機械に渡し、確認と判断を人が持つ、という分け方が効きます。逆に言えば、この分け方を崩した瞬間に、AIは記録の信頼性を下げる道具になります。
当社は、生成AIによる書類・記録業務の効率化を専門とするAI導入支援の事業者です。訪問介護事業所向けには、線引き表の作成、記録と申し送りのプロンプト整備、ヘルパー向け手順書づくりの伴走をお手伝いしています。医療・介護分野の支援内容は医療・介護向けのAI導入支援にまとめています。費用は初期費用0円、月額5万円が標準です。「何から手を付ければよいか分からない」「まず線引きだけ決めたい」という段階でも構いません。お問い合わせはこちらから、まずは無料相談でご相談ください。
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