Claude Codeで動画を作る方法|Remotion活用ガイド
業務効率化支援を行う「Ai-Raku(アイラク)」代表。国立大学でAIの研究を行い、ITコンサル・ウェブコンサルを経て独立。官公庁向けの業務効率化や上場企業の支援等を経て、中小企業の現場に定着するAI活用を企画から運用まで一気通貫で支援している。著書に『中小企業のAI定着の教科書 — 入れた後に、何をするか』(2026年)。

- プログラミングの知識がなくても使えますか?
- Claude Codeが日本語の指示からコードを書いてくれるため、コードを直接書く必要はありません。ただし、ターミナルでのコマンド操作には慣れが必要です。まずは本記事の手順どおりに一度試してみることをお勧めします。実際にコマンドを打ってみると、想像していたより難しくないと感じる方が多いようです。分からない専門用語が出てきたときも、そのままClaude Codeに意味を尋ねれば説明してもらえます。
- Macでも Windowsでも使えますか?
- どちらでも利用できますが、macOSは15(Sequoia)以降が推奨されています。WindowsではWSL(Windows Subsystem for Linux)の利用が案内される場合があるため、公式ドキュメントの案内に従ってください。環境構築でつまずいた場合も、そのエラーメッセージをClaude Codeに貼り付ければ、解決の糸口を教えてもらえることがあります。社内のパソコンがWindows中心の場合は、導入前にWSLのセットアップ手順を一度確認しておくと、当日の作業がスムーズに進みます。
- 動画の長さに制限はありますか?
- 技術的な上限はありませんが、長い動画ほどコードが複雑になり、Claude Codeへの指示も難しくなります。まずは数秒〜数十秒程度の短い動画から始めることをお勧めします。長い動画が必要な場合も、短いシーンをいくつか作ってからつなげる、という段階的な作り方のほうが失敗しにくくなります。
- BGMや音声も追加できますか?
- 可能です。音声ファイルを読み込んで動画に組み込む機能がRemotionには用意されています。著作権フリーの音源を使うなど、権利関係の確認は別途必要です。ナレーションを別途録音して読み込ませることもでき、字幕と音声のタイミングを合わせる指示も、Claude Codeに伝えれば対応してもらえます。音量のバランス調整も、プロンプトで「BGMの音量を下げてください」のように伝えれば反映されます。
- 無料の範囲かどうか、どう確認しますか?
- 自社が営利企業で従業員4人以上であれば、無料ライセンスの対象外です。正確な条件はRemotion公式のライセンス条文に記載されているため、判断に迷う場合は一度目を通すことをお勧めします。
- 動画以外にClaude Codeでできることは?
- ホームページ制作や資料スライドの作成にも活用できます。詳しくは資料スライド作成の記事やマーケティング業務での活用の記事もご覧ください。
- 完成した動画に修正を加えたい場合は?
- Claude Codeに「〇〇の部分をこう変更してください」と追加で指示すれば、コードを修正して再度プレビューに反映してくれます。動画編集ソフトのように一からやり直す必要はなく、対話を重ねながら少しずつ調整できます。過去に作ったコードはそのまま残るため、修正前の状態に戻したくなった場合も対応しやすいという利点があります。
- 複数人で同じプロジェクトを編集できますか?
- Remotionのプロジェクトはコード(テキストファイル)として管理されるため、GitHubなどのバージョン管理ツールと組み合わせれば複数人での共同編集が可能です。ただし、その場合は基本的なGit操作の知識が必要になります。社内にエンジニアがいない場合は、まず1人の担当者がテンプレートを管理し、他のメンバーはデータの差し替えだけを担当する、という役割分担から始めるのが現実的です。役割分担を明確にしておくことで、Gitの知識がないメンバーでも安心して運用に参加できます。
- スマートフォンだけで完結できますか?
- 現時点では、パソコンでのターミナル操作が前提となっています。スマートフォンのみでの制作は想定されていないため、パソコンを用意してから取り組んでください。
- 動画のテイストを毎回変えたい場合は?
- テンプレートを複数用意しておけば、用途ごとに使い分けられます。たとえば「シンプルなテキスト訴求用」と「グラフを多用した実績紹介用」を別々のテンプレートとして作っておき、内容に応じて選ぶという運用が現実的です。テンプレートを増やしすぎると管理が煩雑になるため、まずは2〜3パターン程度から始めることをお勧めします。
「Claude Codeはホームページや資料が作れると聞いたが、動画も作れるのだろうか」——Claude Codeの活用範囲を調べていて、こうした疑問にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。動画編集は専門知識が必要な領域というイメージが強いだけに、半信半疑になるのも無理はありません。
結論から言うと、Claude Codeは「Remotion」というフレームワークと組み合わせることで、動画編集ソフトを使わずに動画を作成できます。2026年1月にRemotionが「Agent Skills」という機能を公式リリースしたことで、Claude Codeに日本語で指示するだけで、正しいコードにもとづいた動画が生成できるようになりました。これは、動画制作の世界にとって決して小さな変化ではありません。
本記事では、中小企業のAI導入を支援するAi-Rakuの視点で、Remotionの仕組み、実際のセットアップ手順、プロンプト例、料金・ライセンスの注意点まで、非エンジニアの方にも分かる形で整理します。動画編集の経験がなくても、この記事の手順どおりに進めれば、簡単な動画を作るところまで到達できます。難しい専門用語もできるだけ避け、実際に手を動かすことをイメージしながら読み進められる構成にしています。
あわせて正直にお伝えすると、すべての動画作成をこの方法だけで完結できるわけではありません。得意な動画・苦手な動画がはっきりしているツールです。「何ができて、何ができないか」を最初に理解しておくことが、遠回りを避ける近道になります。この見極めができていれば、期待外れに終わることなく、自社の業務に無理なく組み込んでいけます。
- Claude Codeで動画が作れる仕組み(Remotion × Agent Skills)
- 作れる動画・作れない動画の正直な線引き
- セットアップから動画書き出しまでの具体的な5ステップ
- 料金・ライセンスで誤解しやすいポイント
※本記事は2026年8月時点のRemotion公式ドキュメント(remotion.dev)にもとづきます。コマンドやライセンス条件は変更される可能性があるため、実際に使用する際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 結論:Remotion併用で動画を自動生成
- なぜAgent Skillsで作れるのか
- 作れる動画・作れない動画の線引き
- 事前に準備するもの
- 動画作成の5ステップ
- 動画のサイズ・形式を指定する方法
- 実際のプロンプト例
- 料金とライセンスの注意点
- テンプレート化して量産する方法
- Remotion以外の選択肢
- つまずいたときの対処法
- 情報の取り扱いで気をつけること
- 公開・活用先の広げ方
- 他の動画作成方法との比較
- 業界別に見る活用アイデア
- 動画作成方法の選び方早見表
- 【モデルケース】広告動画を内製化
- よくある失敗と回避策
- 業務での活用シーン
- さらに学びたい人向けの情報源
- 組織で使う際に決めておきたいこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|まずは小さな動画から試す
結論:Remotion併用で動画を自動生成
Claude Codeは、それ単体では動画を作る機能を持っていません。「Remotion」という、Reactのコードで動画を組み立てるオープンソースのフレームワークと組み合わせることで、初めて動画作成が可能になります。
仕組みをひとことで言うと、「動画の1シーンを、プログラムのコードとして定義する」という考え方です。テキストのアニメーション、画像の切り替わり、字幕の表示タイミングを、すべてコードで指定します。Claude Codeは、この「動画を定義するコード」を、日本語の指示から自動で書いてくれる役割を担います。
なぜAgent Skillsで作れるのか
Remotionとは何か
Remotionは、「React」というWebサイト構築でよく使われる技術を応用し、動画をコードで作れるようにしたフレームワークです。通常の動画編集ソフトのようにタイムラインをマウスで操作するのではなく、「何秒目に、何を、どう表示するか」をコードで記述します。一見遠回りに思えるかもしれませんが、この「コード化」こそが、あとで大量の動画を効率よく作るための土台になります。
この方式の最大の利点は、同じデザインの動画を、内容だけ差し替えて大量に作れることです。例えば「商品名」「価格」「画像」だけが違う10本の広告動画を作りたい場合、テンプレートとなるコードを1つ作れば、データを差し替えるだけで残り9本を自動生成できます。従来の編集ソフトで1本ずつ手作業で作っていた場合と比べると、この差は業務量が増えるほど大きくなっていきます。
Agent Skillsで何が変わったか
これまでも技術的にはRemotionでコードから動画を作ることは可能でしたが、Reactのコードを自分で書く必要があり、非エンジニアには高いハードルがありました。動画制作に興味があっても、プログラミングを学ぶところから始めるのは現実的ではない、という声も多かったといいます。
2026年1月、Remotionは「Agent Skills」という仕組みを公式に提供開始しました。これはClaude Code・Codex・Kimi Code・OpenCodeといったコーディングエージェントに、Remotion特有のルール(タイミングの扱い方、素材の読み込み方、コンポーネントの組み方)を教え込む設定ファイル一式です。この仕組みが加わったことで、「テキストアニメーション付きの15秒動画を作って」と日本語で指示するだけで、Claude Codeが正しいRemotionのコードを書けるようになりました。GitHub上の公開情報によると、このAgent Skillsは複数のルールファイルで構成され、動画の尺の扱い方・素材の読み込み方・コンポーネントの組み方といった基本作法をエージェントに教える設計になっています。人間の新人研修に近いイメージで捉えると分かりやすいかもしれません。
※出典:Remotion公式ドキュメント「Prompting videos with coding agents」、GitHub「remotion-dev/skills」(いずれも2026年8月時点)。
作れる動画・作れない動画の線引き
期待と現実のギャップを避けるため、正直にお伝えします。Claude Code × Remotionには得意な領域と、そうでない領域があります。
得意な動画
もっとも相性が良いのは、テキスト・図形・画像を組み合わせた「モーショングラフィックス」系の動画です。具体的には、SNS広告のテキストアニメーション、統計データをグラフで見せる動画、商品名や価格を差し替えるだけの量産型ショート動画、字幕付きの解説動画などが該当します。「同じ型で内容だけ変えて大量に作りたい」用途で真価を発揮します。従来の編集ソフトでは1本ずつ手作業が必要だった作業を、テンプレート化によって一気に効率化できる点が最大の強みです。
また、会社のロゴやコーポレートカラーを毎回正確に反映させたいという用途にも向いています。デザインをコードで固定できるため、担当者が変わっても表記ゆれやデザインのブレが起きにくいという利点があります。ブランドイメージの一貫性を保ちたい企業にとっては、地味ながら重要な効果です。
苦手な動画
一方で、実写映像の複雑な編集(カット割り・色調整・複数カメラの切り替えなど)は、Remotionの得意分野ではありません。実写素材を組み込むこと自体は可能ですが、本格的な実写編集をしたいなら、従来の動画編集ソフトのほうが適しています。また、凝った3Dアニメーションや、ハリウッド映画のような特殊効果も、専門のツールに軍配が上がります。
感覚的な目安として、「完成イメージを言葉で説明できる動画」はRemotion向き、「編集しながら感覚で仕上げていく動画」は従来の編集ソフト向きと考えると判断しやすくなります。迷ったときは、この2つの問いを自分に投げかけてみてください。
「テンプレート化できる動画をコードで量産したいか」「一点物の実写編集をしたいか」で、Remotionが向くかどうかが決まると考えてください。この判断基準を最初に持っておくだけで、無理な使い方を避けられます。
実際の運用では、「量産する部分はRemotion、こだわりたい部分は従来ツールや外注」と役割を分ける企業が多いようです。たとえば、商品紹介の基本パーツはRemotionでテンプレート化しつつ、季節ごとのブランドムービーだけは外部の制作会社に発注する、といった使い分けです。すべてを一つの方法でまかなおうとせず、動画の性質によって適材適所で手段を選ぶという発想を持っておくと、無理なく導入を進められます。
事前に準備するもの
Node.jsのインストール
Remotionを動かすには、「Node.js」というプログラム実行環境が必要です。公式サイトが求めるバージョンはNode.js 18以上です。Node.js公式サイトから、案内に従ってインストールしてください。すでにパソコンにインストール済みかどうかは、ターミナル(コマンドを打ち込む画面)でnode -vと入力すれば確認できます。バージョン番号が表示されればインストール済み、エラーが表示されれば未インストールという判断ができます。
Claude Codeのセットアップ
Claude Code自体のインストール方法は、Claude Codeの始め方で詳しく解説しています。まだ導入していない方は、先にそちらを済ませてください。Remotionのコーディングエージェント連携機能は、多くの場合Claude Codeの有料プランを前提としています。料金プランについてはClaude Codeの料金体系の記事で解説しています。
基本的なターミナル操作への慣れ
本記事で紹介する手順は、すべてターミナル(コマンドを文字で打ち込む黒い画面)を使います。難しいコマンドを暗記する必要はなく、本記事に掲載したコマンドをそのままコピー&ペーストすれば動作しますが、「ターミナルを開く」「フォルダを移動する(cdコマンド)」という最低限の操作には触れておくと、スムーズに進められます。Windowsの方は「コマンドプロンプト」または「PowerShell」、Macの方は「ターミナル」アプリを使用してください。
不安な場合は、本記事の「動画作成の5ステップ」に掲載したコマンドを、そのままの順番で1つずつ試してみることをお勧めします。コマンドの意味を完全に理解していなくても、順番どおりに実行すれば動画プロジェクトは作成できます。分からない部分があれば、Claude Code自体に「このコマンドは何をしていますか」と尋ねてみるのも一つの方法です。
動画作成の5ステップ
ここからは実際の手順です。ターミナル(黒い画面に文字を打ち込む操作)を使いますが、コマンドをそのままコピーして使えば操作は難しくありません。
ステップ1:プロジェクト作成
まず、動画プロジェクトの土台を作ります。デスクトップなど分かりやすい場所にフォルダを置きたい場合は、あらかじめcdコマンドでその場所に移動してから、ターミナルで次のコマンドを実行してください。
npx create-video --yes --blank my-videoこれにより、my-videoという名前のフォルダに、空の動画プロジェクトが作成されます。--blankの部分は「空のテンプレートから始める」という指定で、他にも用途別のテンプレート(Next.js連携、静止画向けなど)が用意されていますが、初めて触る場合はこの空のテンプレートで十分です。続けて、必要な部品(ライブラリ)をインストールします。
cd my-videonpm installステップ2:Agent Skillsのインストール
次に、Claude CodeにRemotionのルールを教え込む「Agent Skills」を追加します。
npx remotion skills addこのステップを省略すると、Claude Codeが誤ったコードを書いてしまう可能性が高くなります。必ず実行してから次に進んでください。インストールが完了すると、プロジェクトのフォルダ内にRemotion専用の指示ファイルが追加され、以降Claude Codeがそれを参照しながら作業するようになります。
ステップ3:プレビュー画面を起動
作った動画をブラウザで確認できる「Remotion Studio」という画面を起動します。
npm run dev実行すると、ブラウザが自動で開き、動画のプレビュー画面が表示されます。この画面はこのあとも開いたままにしておいてください。Claude Codeがコードを書き換えるたびに、この画面の内容も自動で更新されるため、逐一確認しながら進められます。
ステップ4:Claude Codeに動画を指示する
別のターミナルウィンドウ(またはタブ)を新しく開き、同じプロジェクトフォルダ内でClaude Codeを起動します。プレビュー画面用のターミナルと、Claude Code用のターミナルを同時に開いておくのがポイントです。
claude起動したら、日本語で作りたい動画の内容を伝えます。具体的なプロンプト例は次の章で紹介します。指示を出すと、Claude CodeがRemotionのコードを書き、先ほど開いたプレビュー画面に反映されます。仕上がりを見て気になる点があれば、「もう少し文字を大きくしてください」のように、追加で指示を重ねていけば、少しずつ狙った見た目に近づけていけます。一度で完璧な結果を求めるより、対話を重ねて調整していく前提で臨むほうが、結果的に早く満足のいく仕上がりにたどり着けます。
ステップ5:動画として書き出す(レンダリング)
プレビューで満足のいく仕上がりになったら、実際のmp4ファイルとして書き出します。プレビュー画面はあくまで確認用で、実際にSNSなどにアップロードできるファイルにするには、この書き出し(レンダリング)の工程が必要です。
npx remotion render作成したいコンポジション(動画の種類)を選ぶよう聞かれるので選択すると、outフォルダの中に動画ファイルが生成されます。この動画ファイルを、そのままSNSやWebサイトにアップロードできます。動画の長さや内容によっては書き出しに数分かかることもあるため、その間は別の作業を進めておくとよいでしょう。
※出典:Remotion公式「Prompting videos with coding agents」、Remotion公式「npx remotion render」(2026年8月時点)。バージョンアップによりコマンドが変更される場合があるため、実行前に公式ドキュメントをご確認ください。
動画のサイズ・形式を指定する方法
用途に合わせた画面比率
SNSごとに最適な動画の縦横比は異なります。Instagram・TikTokのショート動画なら縦長(9:16)、Instagramのフィード投稿なら正方形(1:1)、YouTubeなら横長(16:9)が一般的です。Claude Codeへの指示に「縦長の動画にしてください」「9:16のサイズにしてください」と含めるだけで、対応したコードを書いてもらえます。投稿先が複数ある場合は、同じ内容で複数のサイズを作ってもらうことも可能です。「同じ内容で、9:16と16:9の両方のバージョンを作ってください」のように指示してください。
解像度・フレームレートの指定
動画の画質(解像度)や滑らかさ(フレームレート)も、プロンプトで指定できます。SNS投稿用であれば「1080×1920ピクセル、30fps」程度が一般的な目安です。とくに指定しない場合は、Remotionのデフォルト設定が使われるため、書き出した動画を確認して不十分であれば追加で指示してください。画質を上げすぎるとファイルサイズが大きくなり、アップロード時に時間がかかることもあるため、用途に見合った設定を心がけてください。
実際のプロンプト例
Claude Codeへの指示(プロンプト)は、「どんな動画を、何秒で、どんな雰囲気で」を具体的に伝えるほど、狙った結果に近づきます。以下の例をベースに、自社の内容に合わせて書き換えて使ってください。
テキストアニメーション動画
「『AI導入で月40時間の削減』という文字が、フェードインしながら中央に表示される5秒間の動画を作ってください。背景は紺色、文字は白色にしてください。」
SNS広告動画
「商品画像・商品名・価格が順番に表示される、正方形(1:1)の15秒動画を作ってください。商品名と価格はあとから差し替えられるように、変数として分けてください。」
字幕付き動画
「以下のテキストを、1文ずつタイミングをずらして画面下部に字幕表示する動画を作ってください。[ここに話す内容を貼り付け]」
データをグラフで見せる動画
「『売上推移』というタイトルのもと、以下の月別データを棒グラフで表示し、左から右へ順番にアニメーションで伸びていく10秒の動画を作ってください。1月:120、2月:150、3月:180」
ブランドカラーを指定した動画
「背景色は#1A6DF0(コーポレートブルー)、文字色は白で統一してください。今後もこの配色を標準として使うので、簡単に呼び出せるように設定しておいてください。」
このように「今後も使う設定として残してほしい」と伝えると、Claude Codeは色やフォントをコードの中で再利用しやすい形にまとめてくれます。次に別の動画を作るときも、同じ配色を簡単に呼び出せるようになります。
とくに2つ目の「変数として分けてください」という指示は重要です。こう指示しておくと、あとで商品名や価格だけを書き換えて、同じデザインの動画を量産できるようになります。指示が具体的であるほど、修正の往復回数が減り、結果的に早く仕上がります。
既存動画のサイズを作り直す
「先ほど作った16:9の動画と同じ内容・同じデザインで、9:16の縦長バージョンも作ってください。文字の配置だけ縦長に合わせて調整してください。」
すでにあるコンポジションを土台にして「このデザインのまま、比率だけ変えてください」と伝えると、一から説明し直すよりも早く、意図に近い結果が得られます。複数のSNSに同じ内容を展開したい場合に特に有効な指示の出し方です。
料金とライセンスの注意点
Claude Code × Remotionでの動画作成は、Claude Codeの利用料に加えて、Remotion自体のライセンス条件も理解しておく必要があります。ここを見落とすと、あとで思わぬ請求や規約違反のリスクにつながります。
個人・小規模企業は無料
Remotion自体は、個人、従業員3人以下の営利企業、非営利団体であれば無料で利用できます。商用利用や動画・画像の作成も、この範囲内であれば無料ライセンスに含まれます。
4人以上の企業は要ライセンス
従業員4人以上の営利企業がRemotionを使う場合は、有料の「企業ライセンス」の取得が必要です。Remotion公式サイトによると、用途別に複数のプランが用意されています。
| プラン | 料金の目安 | 用途 |
|---|---|---|
| Remotion for Creators | 1シートあたり月額25ドル | 自社での動画制作 |
| Remotion for Automators | 1レンダリングあたり0.01ドル、月額最低100ドル | 自動化された大量レンダリング |
| Enterprise License | 月額500ドルから | 大規模な組織利用 |
従業員4人以上の中小企業が業務でRemotionを使う場合、「Remotion for Creators」(1シートあたり月額25ドル)が現実的な選択肢になることが多いでしょう。一方、大量の動画を自動レンダリングし続けるような使い方であれば、レンダリング回数に応じて課金される「Remotion for Automators」のほうが割安になるケースもあります。自社の使い方がどちらに近いかを見極めてから契約プランを選んでください。ただし料金体系は変更されることがあるため、契約前に必ず公式サイトで最新の金額をご確認ください。
※出典:Remotion公式ライセンス条文(GitHub)、Remotion公式料金ページ(remotion.pro)(いずれも2026年8月時点)。ライセンス条件・料金は変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
Claude Code自体の利用料も別途必要
ここまでのRemotionのライセンスとは別に、Claude Code自体の利用料もかかります。多くのコーディングエージェント連携機能は有料プランを前提としているため、Claude Codeの料金体系の記事もあわせてご確認ください。
導入コストを試算する際は、「Remotionのライセンス費用」と「Claude Codeの利用料」を分けて考えることをお勧めします。両者は別々の会社が提供するサービスであり、それぞれ独立して料金がかかります。社内で稟議を通す際は、この2つを合算した金額で説明できるよう、あらかじめ両方の見積もりを確認しておくとスムーズです。
テンプレート化して量産する方法
Remotionの真価は、1つのテンプレートを作り込み、データだけを差し替えて量産するところにあります。ここでは、その考え方を具体的に解説します。
「コンポジション」という単位で管理する
Remotionでは、1本の動画を「コンポジション」という単位で管理します。複数の商品紹介動画を作りたい場合、コンポジションを1つ作り、そこに渡すデータ(商品名・価格・画像のURLなど)だけを変えるという設計にすると、量産がしやすくなります。Claude Codeに指示する際は、「商品名・価格・画像を外部から渡せる形にしてください」と伝えると、この設計にしてもらえます。この設計にしておくことで、次に似たような動画が必要になったときも、ゼロから作り直す必要がなくなります。
CSVやスプレッドシートと連携させる
さらに一歩進めると、Excelやスプレッドシートに書いた商品リストを読み込んで、複数の動画を自動で一括生成することも可能です。「このCSVファイルの各行から、1本ずつ動画を作ってください」とClaude Codeに指示すれば、量産の仕組みまで含めてコードを書いてもらえます。ただし、この応用的な使い方は、まず基本的な動画作成に慣れてから挑戦することをお勧めします。いきなり一括生成の仕組みから始めると、うまくいかなかった場合の原因を切り分けにくくなるためです。1本の動画が思いどおりに作れるようになってから、量産の仕組みに取り組むという順番を意識してください。
スプレッドシート連携まで実現できると、「商品担当者がスプレッドシートに新商品の情報を入力するだけで、動画のたたき台が自動でできあがる」という運用も視野に入ってきます。ここまで来ると、動画制作の知識がない担当者でも、データを入力するだけで一定水準の動画を用意できるようになり、社内での役割分担の幅も広がります。
一度作ったテンプレートは資産になる
手作業での動画編集は、担当者が変わるたびにゼロから作り方を教える必要があります。一方、テンプレートをコードとして残しておけば、次に同じ種類の動画が必要になったときも、データを差し替えるだけで再利用できます。この「資産として残る」という点が、Remotionを選ぶ最大の理由になる企業も少なくありません。担当者の異動や退職があっても、コードという形で作り方が残っているため、業務が属人化しにくいという副次的な効果もあります。
Remotion以外の選択肢
コードで動画を作る技術は、Remotion以外にも存在します。参考までに整理します。
Manim(数式・図解アニメーション向け)
Manimは、数式やグラフのアニメーションに特化したPython製のツールです。教育系のコンテンツや、数値の変化を視覚的に見せたい場合に強みがありますが、Remotionほど汎用的なデザインの自由度はありません。一般的な業務での動画作成というより、専門分野に特化したツールという位置づけです。
MoviePy(Pythonでの動画編集)
MoviePyは、Pythonで動画の切り貼りや簡単な加工を行うためのライブラリです。既存の動画素材を編集・結合する用途には向いていますが、Remotionのような凝ったアニメーション表現は不得意です。すでに撮影済みの動画素材が複数あり、それらを機械的につなぎ合わせたいだけの場合には、選択肢の一つになり得ます。
現時点でコーディングエージェント向けの公式Agent Skillsが用意され、活発に開発が続いているのはRemotionです。Claude Codeとの連携のしやすさという観点では、本記事執筆時点ではRemotionが最も実用的な選択肢と言えます。ツール選定に時間をかけすぎるより、まずはRemotionで一度試してみて、物足りなさを感じてから他のツールを検討する順序をお勧めします。
つまずいたときの対処法
初めて挑戦する場合、必ずと言っていいほど何らかのエラーやつまずきに出会います。焦らず対処するための考え方を紹介します。
エラーメッセージはClaude Codeにそのまま貼る
ターミナルに赤い文字でエラーが表示されたら、そのエラーメッセージをコピーして、Claude Codeに「このエラーが出ました。直してください」と貼り付けるだけで、多くの場合は自動的に原因を特定して修正してくれます。エラーの内容を自分で理解しようとする必要はありません。「分からないから聞く」ことに遠慮する必要はないという前提で、気軽に貼り付けてみてください。
期待した見た目にならないときの伝え方
プレビューの見た目が思っていたものと違う場合は、「もっと大きく」「色をもっと明るく」「もう少しゆっくり動かして」のように、具体的な修正方向を伝えると改善されやすくなります。一度に多くの変更点を伝えるより、1つずつ確認しながら進めるほうが、結果的に早く仕上がります。人間同士のやり取りと同じように、フィードバックは具体的であるほど伝わりやすいと考えてください。
それでも解決しない場合
何度指示しても改善しない場合は、一度会話をリセットして、最初から要件を伝え直すのも有効な手段です。長い対話の中で当初の指示内容が薄れてしまうことがあるため、要件を簡潔にまとめ直すことで、Claude Codeが正しく理解しやすくなります。粘り強く対話を重ねることと、一度立ち止まって整理し直すことの両方を、状況に応じて使い分けてください。それでも解決しない場合は、公式ドキュメントやコミュニティで同様の事例が報告されていないか調べてみることも、有効な次の一手になります。
情報の取り扱いで気をつけること
非公開の数値をプロンプトに含める場合
社内の売上データや未発表の価格情報を動画に含めたい場合、プロンプトにそのままその情報を貼り付けることになります。Claude Codeの利用規約やデータの取り扱い方針を事前に確認し、機密情報を含めても問題ない範囲かどうかを社内で整理しておくことをお勧めします。
差し替え忘れによる情報漏洩
テンプレートを使い回す際に、前回作成した動画のテスト用データや、社内限定の情報を差し替え忘れたまま書き出してしまうミスも起こり得ます。書き出し前には、必ず内容を一度再生して確認する工程を挟んでください。とくに複数人でテンプレートを使い回す運用では、「最終確認は必ず公開担当者が行う」というルールを明文化しておくと、うっかりミスによる情報漏洩を防ぎやすくなります。担当者の入れ替わりがあっても、このルールさえ引き継がれていれば、同じミスを繰り返さずに済みます。
公開・活用先の広げ方
作った動画を、実際にどこで活かせるかも整理しておきます。
SNSへの投稿
書き出したmp4ファイルは、Instagram・X(旧Twitter)・TikTok・YouTubeなど、一般的なSNSにそのままアップロードできます。プラットフォームごとの推奨サイズに合わせて、前述の「サイズ・形式を指定する方法」を活用してください。
Webサイトへの埋め込み
会社のホームページやランディングページに動画を埋め込みたい場合も、通常の動画ファイルと同じ手順でアップロードできます。Claude Codeでホームページを作る方法の記事とあわせて実践すれば、サイト制作と動画制作を同じツールセットで進められます。
広告出稿での活用
Google広告やSNS広告に動画クリエイティブとして入稿する場合も、mp4形式であれば通常どおり利用できます。複数パターンのA/Bテスト用動画を用意したい場合こそ、テンプレートを使い回せるRemotionの強みが活きる場面です。広告運用でのAI活用については広告・SNS運用の自動化に関する記事もあわせてご覧ください。訴求文言や配色だけを変えた複数バリエーションを短時間で用意できれば、広告のテスト回数自体を増やせるという副次的なメリットも期待できます。
他の動画作成方法との比較
動画編集ソフトとの違い
Adobe PremiereやDaVinci Resolveといった従来の動画編集ソフトは、マウス操作でタイムラインを組み立てるのが基本です。細かい調整が直感的にできる一方、同じような動画を何本も作る場合、毎回手作業で編集する必要があります。Remotionは、この「量産」の部分を自動化できる点が最大の違いです。
CapCut等のAI動画ツールとの違い
CapCutなどのスマホ向けAI動画編集アプリは、「操作が簡単」「テンプレートが豊富」という手軽さが強みです。一方Remotionは、「自社独自のデザインを、コードとして資産化できる」点が異なります。一度作ったテンプレートは、社内の別の担当者が使い回すこともでき、長期的な運用コストを抑えやすいという特徴があります。
単発の動画を手早く作りたいならCapCutのようなアプリ、繰り返し使うテンプレートを資産として持ちたいならRemotion、という使い分けが現実的です。両方を併用し、量産する動画はRemotion、一点物の凝った動画はCapCutや専用の編集ソフトで作る、という運用をしている企業もあります。どちらか一方に絞り込む必要はなく、動画ごとの目的に応じて道具を選ぶという柔軟な姿勢が、結果的に一番効率よく回る運用につながります。
業界別に見る活用アイデア
業種によって、活用の切り口は変わります。自社に近い業種を参考にしてください。共通しているのは、「定期的に、似た内容の動画を作る必要がある」業種ほど恩恵が大きいという点です。
EC・小売業
商品数が多い業種ほど恩恵が大きく、セール告知・新商品紹介・在庫処分アナウンスといった動画を、同じフォーマットで次々に作れます。価格改定のたびに動画を作り直す手間も、テンプレートがあれば数分で完了します。取り扱い商品数が数百点を超える事業者ほど、この積み重ねが大きな時間削減につながります。
不動産業
物件紹介動画は、間取り図・価格・所在地といった情報が毎回変わるだけで、構成自体は共通していることが多い分野です。物件情報をテンプレートに流し込む形にしておけば、新着物件が出るたびに手早く動画を用意できます。反響の早さが重要な不動産業では、この「出稿までのスピード」がそのまま成果に直結することもあります。
士業・コンサルティング業
セミナー告知や、制度改正の解説動画といったテキスト中心の説明動画と相性が良い業種です。出演者の撮影が不要なため、実写撮影の手配なしに情報発信を継続できます。制度改正のたびに情報を更新しなければならない士業にとっては、更新のたびに撮影し直す手間がなくなることも大きな利点です。
製造業
展示会用の会社紹介動画や、製品の仕様データをグラフで見せる動画に活用できます。数値データの更新があった際も、テンプレートの数値部分を差し替えるだけで最新版を用意できます。
飲食・サービス業
季節メニューやキャンペーンの告知動画は、写真とテキストの組み合わせが基本となるため、Remotionが得意とする領域です。店舗ごとに情報だけ変えた動画を、多店舗展開している企業では一括で用意できます。
ここで挙げた5業種はあくまで一例で、「フォーマットが決まっていて、中身の情報だけが変わる」動画を定期的に作る業務であれば、業種を問わず同じ考え方が応用できます。自社の業務を振り返り、毎回似た構成の動画を作り直している作業がないか、一度洗い出してみることをお勧めします。
動画作成方法の選び方早見表
ここまで紹介した内容を、選択肢別に整理します。自社の状況に近いものを参考にしてください。
| 方法 | 向いている用途 | 必要なスキル | コスト感 |
|---|---|---|---|
| Claude Code × Remotion | テンプレート型の動画を量産したい | ターミナル操作の基礎 | Remotion無料〜/4人以上は要ライセンス |
| 従来の編集ソフト | 実写映像を凝って編集したい | 編集ソフトの操作習熟 | ソフト代(買い切り〜月額) |
| CapCut等のAI動画アプリ | 単発の動画を手早く作りたい | スマホ・PC操作の基礎 | 無料〜低価格帯 |
| 制作会社への外注 | クオリティ重視・撮影が必要 | 不要(依頼のみ) | 1本あたり数万円〜 |
この4つはどれか1つに絞る必要はなく、用途によって使い分けるのが実務的です。量産する動画はRemotion、こだわりたい動画は外注、といった組み合わせを検討してください。
【モデルケース】広告動画を内製化
ここまでの内容を、具体的な数字で見てみましょう。従業員8名・ECサイトを運営するK社を例に、外注していた商品紹介のショート動画をClaude Code × Remotionで内製化した場合の試算を紹介します。K社が検討を始めたきっかけは、季節商品の入れ替えが激しく、外注のスケジュールに業務が振り回されていたことでした。
※K社は実在の企業ではなく、中小企業によくある状況をもとにしたモデルケース(試算)です。数値は「時給換算2,500円・月20営業日」を前提とした試算で、実際の効果は条件により変動します。
導入前の状況
K社では、新商品を出すたびにSNS広告用のショート動画を外部の制作会社に発注していました。1本あたりの制作費用は2万円前後、納品までに数日かかることが負担になっていました。月に平均8本の動画を発注しており、デザインはほぼ同じで、商品名・価格・画像だけが違うという状態でした。担当者は「毎回同じような発注をしているのに、なぜこんなに費用と時間がかかるのか」と感じていたといいます。
取り組んだこと
K社は、まず1つのテンプレート動画をClaude Code × Remotionで作成し、商品名・価格・画像を変数として差し替えられる形にしました。従業員が4名を超えていたため、「Remotion for Creators」(月額25ドル・1シート)を契約したうえで運用を開始しました。契約前に、経営者自身がライセンス条文を確認し、自社の従業員数が無料枠を超えることを把握したうえでの判断でした。
削減効果の試算
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 制作費用(月8本) | 約160,000円 | Remotionライセンス費 約3,800円(月額25ドル換算) |
| 納品までの日数 | 3〜5営業日 | 当日中 |
| 担当者の確認・修正依頼の時間(月) | 約6時間 | 約2時間 |
制作費用だけで見ても月15万円以上の差額が生まれる計算です。加えて、外注先とのやり取りにかかっていた確認・修正依頼の時間も削減できました。修正のたびに発注先へ連絡し、返信を待つという往復がなくなり、その場で調整して即座に確認できるようになったことも、担当者にとって心理的な負担軽減につながったといいます。もっとも、この効果は最初のテンプレート作成に一定の試行錯誤の時間がかかることを前提としています。K社でも、最初のテンプレートが安定するまでには複数回のプロンプトの調整が必要でした。
定着させるための工夫
K社では、最初にテンプレートを作った担当者が異動しても運用が止まらないよう、「どんなプロンプトで、どう修正を重ねたか」を社内のドキュメントに記録しておくルールを作りました。次に似た動画を作る際、この記録を参考にすることで、ゼロから試行錯誤する時間を大幅に短縮できたといいます。コードという「資産」だけでなく、それを作った過程の記録も財産になるという気づきでした。
よくある失敗と回避策
失敗1:Agent Skillsのインストールを忘れる
前述のステップ2を省略すると、Claude CodeがRemotionの作法を理解しないまま、動かないコードを書いてしまうことがあります。エラーが出て「なぜか動かない」と感じたときは、まずAgent Skillsが正しく追加されているかを確認してください。プロジェクトを作ったら、必ず最初にAgent Skillsを追加する習慣をつけましょう。新しいプロジェクトを作るたびに毎回この手順を踏むことになるため、メモに残しておくと安心です。
失敗2:ライセンス条件を確認せずに業務利用する
従業員4人以上の企業が、無料ライセンスの範囲だと誤解したまま業務で使い続けると、規約違反になるおそれがあります。「個人で試していたときは無料だったから」という理由で、そのまま会社の業務に持ち込んでしまうケースが典型的な失敗です。自社の従業員数を確認し、該当する場合は早めに企業ライセンスの検討を進めてください。個人で試す段階と、会社として業務利用する段階では、適用されるルールが変わるという意識を持っておくことが大切です。
失敗3:いきなり複雑な動画を指示する
最初から「30秒の凝った演出の動画」を一度に指示すると、意図しない結果になりやすく、修正にも時間がかかります。まずは5秒程度のシンプルな動画から試し、慣れてから複雑な指示に進むことをお勧めします。小さな成功体験を積み重ねることで、どのような指示の出し方が効果的かが徐々につかめてきます。最初の1本がうまくいくかどうかで、その後の取り組み方も大きく変わってきます。
失敗4:実写編集をRemotionだけで完結させようとする
前述のとおり、実写映像の本格的な編集はRemotionの得意分野ではありません。「動画に関することは全部Remotionでできるはず」と過信してしまうと、かえって遠回りになります。実写素材が中心の動画は、従来の編集ソフトとの併用を検討してください。前述の「作れる動画・作れない動画の線引き」を思い出しながら、無理な依頼をしないよう気をつけましょう。
失敗5:バージョンアップによる変更に気づかない
RemotionもClaude Codeも頻繁にアップデートされるツールです。以前は動いていたコマンドが、バージョンアップによって書き方が変わっていることがあります。エラーが出た際は、まず公式ドキュメントで最新のコマンド構文を確認してください。本記事に掲載したコマンドも、将来的には変更される可能性がある前提で参照してください。
失敗6:テンプレートを増やしすぎて管理が煩雑になる
便利さのあまり、用途ごとにテンプレートを次々と作ってしまい、どれがどの目的のものか分からなくなる失敗も見られます。テンプレートを増やす際は、名前の付け方や置き場所のルールを最初に決めておき、増えすぎたら定期的に整理する機会を設けることをお勧めします。数が少ないうちから運用ルールを決めておくと、あとで整理し直す手間を減らせます。
業務での活用シーン
SNS広告・ショート動画
商品数の多いEC事業者や、定期的にキャンペーンを行う企業にとって、同じフォーマットで内容だけ変えた動画を量産できることは大きな時短効果につながります。セールの開始・終了時期が短いフラッシュセールほど、この即応性の高さが活きてきます。
社内向け説明動画
新しい業務フローや制度変更の説明動画も、Remotionと相性が良い用途です。テキストと図解が中心の説明動画であれば、実写撮影の手間なく作成できます。
商品紹介動画
Webサイトに埋め込む商品紹介動画も、価格改定や仕様変更のたびにテンプレートを使い回して更新できます。更新頻度が高い動画ほど、Remotionのようなコードベースの仕組みが効いてきます。
さらに学びたい人向けの情報源
本記事の範囲を超えて、より高度な使い方に挑戦したい場合の参考先を紹介します。
Remotion公式ドキュメント
Remotion公式サイトのドキュメントには、アニメーションの応用テクニックや、音声・字幕の細かい制御方法まで、体系的にまとめられています。英語表記が中心ですが、Claude Codeに「このドキュメントページの内容を踏まえて実装してください」とURLを伝えるだけでも活用できます。
コミュニティの活用
Remotionは活発に開発が続いているツールのため、公式ドキュメントに載っていない最新の使い方は、GitHubのIssueやコミュニティのやり取りから見つかることもあります。行き詰まったときは、エラーメッセージで検索してみるのも一つの方法です。
組織で使う際に決めておきたいこと
個人で試すだけでなく、社内で継続的に使っていく場合は、あらかじめ決めておくとよいルールがあります。
テンプレートの管理者を1人決める
誰でも自由にテンプレートのコードを書き換えられる状態にすると、いつの間にかデザインがバラバラになったり、誤って壊れたコードが残ったりすることがあります。テンプレートの品質に責任を持つ担当者を1人決めておくと、運用が安定します。組織の規模が大きくなるほど、この「誰が最終責任を持つか」を曖昧にしないことの重要性が増します。
動画内の数値・事実は必ず人が確認する
Claude Codeは生成AIの一種であり、指示した内容以外の数値や文言を、意図せず変えてしまう可能性があります。動画に売上データや価格といった重要な数値を含める場合は、書き出したあとに必ず人の目で確認する工程を挟んでください。この点は、生成AI全般に共通する注意点でもあります。詳しくはAIハルシネーション対策の記事もあわせてご覧ください。
著作権・素材の利用権を確認する
動画に使う画像・音楽・フォントについては、それぞれの利用規約を確認したうえで使用することが必要です。AIが生成した画像を組み込む場合の著作権の考え方は、生成AIと著作権の記事で詳しく解説しています。フリー素材サイトの画像であっても、商用利用の可否や表記義務の有無はサイトごとに異なるため、使用前に必ず確認する習慣をつけてください。
よくある質問(FAQ)
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか?
A. Claude Codeが日本語の指示からコードを書いてくれるため、コードを直接書く必要はありません。ただし、ターミナルでのコマンド操作には慣れが必要です。まずは本記事の手順どおりに一度試してみることをお勧めします。実際にコマンドを打ってみると、想像していたより難しくないと感じる方が多いようです。分からない専門用語が出てきたときも、そのままClaude Codeに意味を尋ねれば説明してもらえます。
Q. Macでも Windowsでも使えますか?
A. どちらでも利用できますが、macOSは15(Sequoia)以降が推奨されています。WindowsではWSL(Windows Subsystem for Linux)の利用が案内される場合があるため、公式ドキュメントの案内に従ってください。環境構築でつまずいた場合も、そのエラーメッセージをClaude Codeに貼り付ければ、解決の糸口を教えてもらえることがあります。社内のパソコンがWindows中心の場合は、導入前にWSLのセットアップ手順を一度確認しておくと、当日の作業がスムーズに進みます。
Q. 動画の長さに制限はありますか?
A. 技術的な上限はありませんが、長い動画ほどコードが複雑になり、Claude Codeへの指示も難しくなります。まずは数秒〜数十秒程度の短い動画から始めることをお勧めします。長い動画が必要な場合も、短いシーンをいくつか作ってからつなげる、という段階的な作り方のほうが失敗しにくくなります。
Q. BGMや音声も追加できますか?
A. 可能です。音声ファイルを読み込んで動画に組み込む機能がRemotionには用意されています。著作権フリーの音源を使うなど、権利関係の確認は別途必要です。ナレーションを別途録音して読み込ませることもでき、字幕と音声のタイミングを合わせる指示も、Claude Codeに伝えれば対応してもらえます。音量のバランス調整も、プロンプトで「BGMの音量を下げてください」のように伝えれば反映されます。
Q. 無料の範囲かどうか、どう確認しますか?
A. 自社が営利企業で従業員4人以上であれば、無料ライセンスの対象外です。正確な条件はRemotion公式のライセンス条文に記載されているため、判断に迷う場合は一度目を通すことをお勧めします。
Q. 動画以外にClaude Codeでできることは?
A. ホームページ制作や資料スライドの作成にも活用できます。詳しくは資料スライド作成の記事やマーケティング業務での活用の記事もご覧ください。
Q. 完成した動画に修正を加えたい場合は?
A. Claude Codeに「〇〇の部分をこう変更してください」と追加で指示すれば、コードを修正して再度プレビューに反映してくれます。動画編集ソフトのように一からやり直す必要はなく、対話を重ねながら少しずつ調整できます。過去に作ったコードはそのまま残るため、修正前の状態に戻したくなった場合も対応しやすいという利点があります。
Q. 複数人で同じプロジェクトを編集できますか?
A. Remotionのプロジェクトはコード(テキストファイル)として管理されるため、GitHubなどのバージョン管理ツールと組み合わせれば複数人での共同編集が可能です。ただし、その場合は基本的なGit操作の知識が必要になります。社内にエンジニアがいない場合は、まず1人の担当者がテンプレートを管理し、他のメンバーはデータの差し替えだけを担当する、という役割分担から始めるのが現実的です。役割分担を明確にしておくことで、Gitの知識がないメンバーでも安心して運用に参加できます。
Q. スマートフォンだけで完結できますか?
A. 現時点では、パソコンでのターミナル操作が前提となっています。スマートフォンのみでの制作は想定されていないため、パソコンを用意してから取り組んでください。
Q. 動画のテイストを毎回変えたい場合は?
A. テンプレートを複数用意しておけば、用途ごとに使い分けられます。たとえば「シンプルなテキスト訴求用」と「グラフを多用した実績紹介用」を別々のテンプレートとして作っておき、内容に応じて選ぶという運用が現実的です。テンプレートを増やしすぎると管理が煩雑になるため、まずは2〜3パターン程度から始めることをお勧めします。
まとめ|まずは小さな動画から試す
- Claude CodeはRemotionと組み合わせることで動画作成が可能になる
- 2026年1月のAgent Skills公開により、日本語の指示だけで動画コードが書けるようになった
- 得意なのはテンプレート型のモーショングラフィックス、苦手なのは複雑な実写編集
- Remotionは従業員3人以下・非営利は無料、4人以上の営利企業は企業ライセンスが必要
- 最初から複雑な動画を目指さず、5秒程度のシンプルな動画から試すのが失敗しないコツ
- テンプレートは資産として蓄積でき、担当者が変わっても再利用できる
Claude Code × Remotionによる動画作成は、「同じデザインで内容だけ変えた動画を繰り返し作る」業務と特に相性が良い技術です。まずは本記事の手順で、ごく短い動画を1本作ってみることから始めてください。実際に手を動かしてみることで、本記事で説明した「得意・苦手」の感覚も、より具体的につかめるはずです。
新しい技術ほど、「難しそう」という先入観だけで検討自体を諦めてしまうのはもったいないことです。本記事で紹介したとおり、必要なコマンドはコピー&ペーストで実行でき、動画の内容は日本語の指示だけで伝えられます。まずは業務時間外の数十分でも構いませんので、実際に手順を1つずつ試してみることをお勧めします。試してみて自社の業務に合わないと感じたら、それはそれで一つの判断材料になります。
あわせて、Claude Codeとは何か、始め方もご覧ください。動画に限らず、自社の業務でClaude Codeをどう活かせるか相談したい方は、無料相談から現状をお聞かせください(初回相談は無料)。支援内容はサービスページでご確認いただけます。動画に限らず、日々の業務のなかで「これも自動化できるのでは」と感じる作業があれば、遠慮なくお聞かせください。テンプレート化できそうな作業は、動画以外にも意外と多く眠っていることがあります。
※本記事は2026年8月時点の公開情報にもとづく一般的な解説です。Remotion・Claude Codeともにアップデートが頻繁なツールのため、実際に利用する際は必ず各公式サイトで最新のコマンド・料金・ライセンス条件をご確認ください。
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