受付業務の効率化|取次と予約対応を減らす5つの手順
業務効率化支援を行う「Ai-Raku(アイラク)」代表。国立大学でAIの研究を行い、ITコンサル・ウェブコンサルを経て独立。官公庁向けの業務効率化や上場企業の支援等を経て、中小企業の現場に定着するAI活用を企画から運用まで一気通貫で支援している。

- 無人受付システムは導入すべきですか?
- 来客が1日5件以上あり、取次先が固定的でなく、受付専任がいない場合に効果が出ます。1日2〜3件なら、内線一覧を置いて直接呼び出してもらう運用で足ります。まず件数を数えてから判断してください。
- 電話を減らす一番簡単な方法は?
- 取次の多い数名に直通番号を用意することです。記録を取ると、電話の半分以上が特定の数名への取次であることが多くあります。名刺とメール署名に記載すれば、以降は直接かかってきます。費用もかかりません。
- 予約の調整が毎回3往復してしまいます
- こちらから候補を3つ以上先に出してください。これだけで往復が1回減ります。件数が多いなら、空き枠から選んでもらう予約フォームにすれば往復がゼロになります。
- 記録を1週間取るのは大変では?
- 種類・用件・対応者・取次先の4つを一言で書くだけなので、1件10秒程度です。この記録がないと、負担でない部分を自動化してしまうことになります。ここは省略しないでください。
- 中断が多いのは受付だけの問題ですか?
- 受付以外にも中断の原因はありますが、受付は予告なく発生する点で影響が大きい業務です。1日の中断回数を数えて、10回を超えるなら対応時間の削減より中断を減らす対策を優先してください。
- 費用をかけずにどこまでできますか?
- 本記事の5手順はすべて0円です。直通番号の用意、サイトへの情報明示、日程調整の運用変更、内線一覧の設置。これらを実行してから、残った負担に対して有料の仕組みを検討する順番をお勧めします。
- 電話に出ないと失礼になりませんか?
- 用件によります。営業時間や所在地の確認であれば、サイトに明示されているほうが相手にとっても速く解決します。一方、初めての問い合わせやトラブルの申し出は人が受けるべきです。全部を自動にしないという線引きが前提になります。
- 社内で改善を提案しても通りません
- 1週間の記録を添えてください。「電話の半分以上が特定3名への取次」「来客の大半が宅配」という具体的な数字があると、判断が変わります。感覚での提案が通りにくいのは、判断材料がないためです。
- 予約フォームを入れると高齢の顧客が困りませんか?
- 電話をなくす必要はありません。フォームと電話を併存させ、フォームで受けられる分だけ電話が減るという形で十分です。実際、電話を残したままでも件数は明確に減ります。
- 中断が多いのは自分の段取りの問題では?
- 受付は予告なく発生するため、段取りでは防げません。総務省の白書でも、生成AI活用の期待として「業務効率化や人員不足の解消」が最も多く挙げられており、少人数で兼任する構造そのものが背景にあります。個人の努力の問題として扱わないでください。
- AI電話対応はいつ検討すべきですか?
- 費用0円の5手順を実行し、それでも電話が1日10件以上残り、用件が数種類に定型化している場合です。その状態なら効果が見込めます。逆に、5手順を飛ばして導入すると、減らせるはずの電話まで自動応答が受けることになります。
来客のチャイムが鳴るたびに、手を止めて席を立つ。電話が鳴れば、担当者を探して取り次ぐ。予約の日程調整で、メールを3往復する。
1件あたりは数分です。それでも受付業務が重く感じられるのは、件数ではなく中断の回数が問題だからです。集中が切れると、元の作業に戻るまでに時間がかかります。1日に10回中断されれば、失われるのは10件分の対応時間だけではありません。
本記事では、受付業務を来客・電話・予約の3つに分け、それぞれの負担を減らす具体的な手順を扱います。無人受付システムの導入だけが答えではありません。費用をかけずにできることから順に整理します。
- 受付業務の負担が「中断コスト」である理由
- 来客・電話・予約の3方向それぞれの対策
- 費用をかけずにできる改善5手順
- 無人受付を導入する前に確認すること
- 予約調整の往復をなくす方法
- 失敗する3つのパターン
結論|減らすべきは件数でなく中断
最初に考え方をお伝えします。
1件3分でも影響は3分ではない
受付対応そのものは短時間です。しかし作業を中断されると、元の集中状態に戻るまでに追加の時間がかかります。書類作成の途中で立ち上がれば、戻ったときにどこまで進んだかを確認するところから始まります。
この「戻る時間」は記録に残らないため、業務量として認識されません。受付が負担だと感じるのに、時間を計ると大したことがないという現象は、ここから来ています。
3方向に分けて考える
受付業務は、性質の違う3つが混ざっています。
| 種類 | 中断の起き方 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 来客対応 | 予告なく発生。必ず席を立つ | 取次を自動化する |
| 電話対応 | 予告なく発生。担当者を探す手間 | 一次受けを分ける |
| 予約・日程調整 | 往復が発生。都度確認が必要 | 往復自体をなくす |
この3つは対策が違います。まとめて「受付の効率化」と考えると打ち手が定まらないため、どれが一番の負担かを先に決めてください。
順番は費用の安い方から
いきなりシステムを導入すると、費用に見合わないことがあります。運用の見直し → 無料の道具 → 有料の仕組みの順に検討するのが確実です。本記事もこの順で説明します。
データで見る効率化の位置づけ
受付の改善を社内で提案する際、公表資料を添えられると話が進みやすくなります。
期待の1位は人手不足の解消
総務省が2025年7月に公表した「令和7年版 情報通信白書」によると、生成AIの活用推進による自社への影響について、日本では「業務効率化や人員不足の解消につながる」が最も多く挙げられています(出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」企業におけるAI利用の現状)。
受付業務は、まさにこの人手不足が直撃する領域です。専任を置けないため他業務との兼任になり、中断が発生する。構造そのものが人手不足の症状と言えます。
障壁は費用より活用方法
同白書では、生成AI導入に際しての懸念事項として、日本では「効果的な活用方法がわからない」が最も多く、次いで「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」「ランニングコストがかかる」「初期コストがかかる」と続くことが報告されています。
受付業務の改善も同じ構図です。予算がないから進まないのではなく、何から手を付けるか分からないから進まない。本記事が費用0円の5手順から始めるのは、この理由によります。
中小企業は方針が未策定
企業規模別では、中小企業では「方針を明確に定めていない」との回答が約半数を占めると報告されています。裏を返せば、記録を取って優先順位を付けるだけで、同規模の会社の半数より前に出られます。
まず1週間記録する
改善の前に、実態を把握してください。この工程を飛ばすと、効果の薄いところに手を入れることになります。
記録する4項目
1週間、受付が発生するたびに次を記録します。紙のメモで構いません。
- 種類:来客/電話/予約
- 用件:一言でよい
- 誰が対応したか
- 取り次いだ先(該当する場合)
集計して見えること
1週間分を集計すると、多くの会社で次のような傾向が出ます。
- 電話の半分以上が特定の数名への取次
- 来客の大半が宅配・営業・定期訪問の3種類
- 予約の調整に平均2〜3往復かかっている
ここまで見えれば、打ち手が絞れます。「なんとなく大変」から「この3種類が8割」に変わることが、この記録の価値です。
中断された回数も数える
もう1つ数えてほしいのが、1日に何回中断されたかです。時間ではなく回数を数えてください。
この数字が、実際の負担に最も近い指標になります。10回を超えているなら、対応時間の削減より中断を減らす対策が優先です。
来客対応を減らす
来客の負担は、席を立つ回数そのものです。
取次を呼び出しに変える
最も効果が大きく、費用のかからない改善です。受付に内線一覧を置き、来訪者に直接担当者を呼び出してもらう形にします。
タブレットの受付システムを入れる前に、まずこの運用で足りるかを試してください。事前にアポイントがある来客なら、これで十分に回る会社は多くあります。
宅配と営業を分ける
来客の内訳を見ると、宅配業者と飛び込み営業が相当な割合を占めていることがあります。
宅配は置き配や指定場所への配達で減らせます。飛び込み営業は、受付に「お約束のない訪問はお断りしています」と明示するだけで件数が変わります。断る判断を毎回人がする状態をやめるのが要点です。
無人受付を検討する基準
タブレット等での無人受付は、次の条件が揃うと効果が出ます。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 来客が1日5件以上 | それ以下だと運用の手間が上回る |
| 取次先が固定的でない | 内線一覧で足りるなら不要 |
| 受付専任がいない | 専任がいるなら別の業務を任せる形が先 |
| 来客の記録が必要 | 入退館管理の要件がある場合 |
逆に、1日2〜3件の来客で無人受付を入れても、費用に見合いません。件数を数えてから判断してください。
電話対応を減らす
件数が多く、中断の主因になりやすいのが電話です。
取次先の偏りを見る
記録を集計すると、電話の取次先が特定の数名に偏っていることが多くあります。その数名に直通番号を用意するだけで、取次の件数が大きく減ります。
これは費用のかからない改善です。名刺やメール署名に直通番号を記載すれば、以降は直接かかってきます。
用件の型を数える
電話の用件も、集計すると数種類に収まります。よくあるのは次のような内容です。
- 営業時間・所在地の確認
- 担当者の在席確認
- 注文・予約の申し込み
- 納期・進捗の確認
このうち上2つは、そもそも電話でなくてよい情報です。ウェブサイトに明示する、留守番電話の応答で案内するだけで件数が減ります。
一次受けを分ける
件数が多く、用件が定型的なら、自動応答で一次受けする方法があります。用件を聞き取って要約を残し、担当者が折り返す形です。
ただし導入すれば全部が解決するわけではありません。何を自動で受け、何を人につなぐかの線引きが必要です。詳しくはAI電話対応の導入|できること・費用・デメリットを整理で扱っています。
時間帯を決める
意外に効くのが、電話を受ける時間帯を決めることです。集中作業の時間は留守番電話にし、決まった時間にまとめて折り返す。
顧客対応の性質によっては難しい場合もありますが、可能な業務なら中断が劇的に減ります。
予約調整の往復をなくす
3つ目が、日程調整です。1件あたりの時間は長くありませんが、往復が発生するため総時間が膨らみます。
往復が起きる理由
「ご都合はいかがですか」と聞く形にすると、必ず往復が発生します。相手が候補を出し、こちらが確認し、埋まっていれば再度調整する。3往復すると、1件で30分近くかかります。
候補を先に出す
最も簡単な改善は、こちらから3つ以上の候補日時を先に出すことです。これだけで往復が1回減ります。
候補を出す際は、時間帯の幅を持たせてください。同じ日の午前と午後を分けて出すと、選ばれる確率が上がります。
予約フォームに置き換える
件数が多いなら、空き枠を提示して選んでもらう形が確実です。往復がゼロになります。
導入の際に決めるべきは、次の3点です。
- 公開する枠の範囲(何日先まで、何時から何時まで)
- 1枠の長さと、枠と枠の間隔
- 予約後の確認連絡を自動にするか
調整メールをAIに任せる
フォームを入れるほどでない件数なら、調整メールの文面をAIに下書きさせる形で十分です。
「候補を3つ提示し、こちらの前提を明示し、次のアクションを書く」という条件を指定すれば、往復の少ない文面が出ます。メール文面の作り方はメール返信をAIで下書き|書きにくい文面が5分で済む方法をご覧ください。
費用をかけない5手順
ここまでの内容を、実行順にまとめます。
| 順番 | やること | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1週間、受付の記録を取る | 0円 | 1週間 |
| 2 | 取次の多い数名に直通番号を用意 | 0円〜 | 即日 |
| 3 | 営業時間・所在地をサイトに明示 | 0円 | 1日 |
| 4 | 日程調整で候補を3つ先に出す運用に | 0円 | 即日 |
| 5 | 受付に内線一覧を置き、直接呼出に | 0円 | 即日 |
この5つを実行してから、残った負担に対して仕組みを検討してください。順番を逆にすると、システムを入れたのに負担が変わらないという事態になります。
モデルケース|1日12件の受付(試算)
効果のイメージを示します。以下は実在の企業ではなく、当社が想定する典型的な状況にもとづく試算です。効果は業務内容や体制によって変わります。
導入前の状況
従業員22名の設備工事会社。事務担当2名が、自分の業務のかたわら受付と電話対応をしています。1週間記録した結果は次のとおりでした。
| 種類 | 1日の件数 | 1件あたり | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 電話 | 8件 | 4分 | うち5件が特定3名への取次 |
| 来客 | 3件 | 5分 | 宅配2件、アポイント1件 |
| 予約調整 | 1件 | 18分(往復含む) | 平均2.5往復 |
| 中断回数 | 1日12回 | ||
実施したこと
費用のかからない改善だけを、順番に実行しました。
- 取次の多い3名に直通番号を用意し、名刺と署名に記載
- 営業時間・所在地・アクセスをサイトのトップに明示
- 宅配を指定場所への配達に変更
- 日程調整で候補3つを先に出す運用に変更
削減時間の試算
時給換算2,500円・月20営業日を前提とした試算です。
| 種類 | 導入前(1日) | 実施後(試算) |
|---|---|---|
| 電話(8件→4件) | 32分 | 16分 |
| 来客(3件→1件) | 15分 | 5分 |
| 予約調整(往復2.5→1.2) | 18分 | 9分 |
| 1日の合計 | 65分 | 30分 |
| 中断回数 | 12回 | 6回 |
| 月20日の削減見込み | — | 約12時間 |
| 金額換算(月) | — | 約30,000円 |
この会社で最も評価されたのは、時間より中断回数が半分になったことでした。担当者からは「午前中に集中して作業できる日ができた」という声が出ています。
そして重要なのは、ここまで費用が0円である点です。この状態から残る負担を見て、初めて有料の仕組みを検討する順番になります。
「自社の受付でどこから減らせるか」を整理したい方へ。実際の状況を伺いながらご提案します。初回のご相談は無料です。無料相談はこちら。
失敗する3つのパターン
避けるべき進め方を挙げます。
記録せずにシステムを入れる
最も多い失敗です。何が負担かを把握しないまま導入すると、負担でない部分が自動化されます。
実際、無人受付を入れたのに来客が1日2件しかなく、運用の手間だけが増えたという例があります。1週間の記録を飛ばさないでください。
全部を自動にしようとする
受付には、人が対応すべき場面が残ります。初めての来客、トラブルの申し出、緊急の連絡。これらを自動応答に押し込むと、印象を損ないます。
何を人が受けるかを先に決め、残りを自動にする順番にしてください。
担当者に周知しない
直通番号や自動応答を入れても、取り次がれる側が対応方法を知らないと混乱します。
「電話が直接かかってくるようになる」「折り返しの依頼がこの形で届く」といったことを、事前に共有してください。運用の変更は、受付側だけの話ではありません。
情報の扱いで決めること
受付では、来訪者や電話の相手の情報を扱います。
記録する範囲を決める
来訪者の氏名や会社名を記録する場合、何のために記録し、いつまで保管するかを決めてください。目的が曖昧なまま集めるのは避けます。
要約をAIに任せる場合
電話の内容をAIで要約する運用にするなら、相手の氏名や連絡先の扱いを整理してください。要約の目的なら、氏名は伏せても成立する場面が多くあります。
入力内容が学習に使われない設定の確認とあわせて、社内で決めておいてください。ルールの作り方は社内AIルールの作り方|情報漏洩を防ぐ生成AIガイドライン8項目で解説しています。
問い合わせ全体への広げ方
受付が回り始めたら、次の段階があります。
質問の答えを揃える
受付で受ける質問は、メールやウェブからの問い合わせと重なっています。同じ質問への答えが窓口ごとに違っていないかを確認してください。
この機会に答えを統一することに、効率化とは別の価値があります。
よくある質問を公開する
受付・電話・メールで繰り返し来る質問は、サイトに掲載すれば件数自体が減ります。問い合わせを効率化する前に、問い合わせを発生させないという考え方です。
詳しくはカスタマーサポートのAI活用|問い合わせ対応・FAQ・返信を効率化する方法をご覧ください。
業種別の受付の減らし方
受付の性質は業種で大きく違います。自社に近いものからご覧ください。
建設・設備工事
特徴は来客より電話が圧倒的に多いことです。現場からの連絡、資材業者、施主からの問い合わせが日中ずっと入ります。
最も効くのは、現場担当者への直通番号です。事務所を経由する必要がない連絡が相当な割合を占めているため、ここを分けるだけで件数が変わります。あわせて、現場ごとの連絡窓口を一覧化して関係者に配ってください。
製造業
特徴は納期問い合わせの多さです。同じ内容の電話が複数の取引先から入ります。
対策は、納期情報を取引先が自分で確認できる形にすることです。難しい場合でも、定期的にこちらから一斉連絡するだけで問い合わせが減ります。受け身で対応するより、先に出すほうが総量が減る典型例です。
クリニック・治療院
特徴は予約の電話が特定の時間に集中することです。診療中に電話が鳴り、手を止めることになります。
ここは予約フォームの効果が最も大きい業種です。24時間受け付けられるようになるため、電話の集中そのものが解消します。導入時は、空き枠の公開範囲と、当日予約を受けるかどうかを先に決めてください。
士業
特徴は初回相談の日程調整が多いことです。相手の都合を聞く形にすると往復が発生します。
候補を3つ先に出す運用が最も効きます。加えて、初回相談の所要時間と持参物を事前に伝えると、当日の説明時間も短縮できます。
小売・飲食
特徴は営業時間・在庫・予約可否の確認が電話の大半を占めることです。これらは電話でなくてよい情報です。
サイトと地図サービスの情報を最新にするだけで件数が減ります。費用0円で最も効果の出る改善が、この業種では情報の明示です。
よくある質問(FAQ)
Q. 無人受付システムは導入すべきですか?
A. 来客が1日5件以上あり、取次先が固定的でなく、受付専任がいない場合に効果が出ます。1日2〜3件なら、内線一覧を置いて直接呼び出してもらう運用で足ります。まず件数を数えてから判断してください。
Q. 電話を減らす一番簡単な方法は?
A. 取次の多い数名に直通番号を用意することです。記録を取ると、電話の半分以上が特定の数名への取次であることが多くあります。名刺とメール署名に記載すれば、以降は直接かかってきます。費用もかかりません。
Q. 予約の調整が毎回3往復してしまいます
A. こちらから候補を3つ以上先に出してください。これだけで往復が1回減ります。件数が多いなら、空き枠から選んでもらう予約フォームにすれば往復がゼロになります。
Q. 記録を1週間取るのは大変では?
A. 種類・用件・対応者・取次先の4つを一言で書くだけなので、1件10秒程度です。この記録がないと、負担でない部分を自動化してしまうことになります。ここは省略しないでください。
Q. 中断が多いのは受付だけの問題ですか?
A. 受付以外にも中断の原因はありますが、受付は予告なく発生する点で影響が大きい業務です。1日の中断回数を数えて、10回を超えるなら対応時間の削減より中断を減らす対策を優先してください。
Q. 費用をかけずにどこまでできますか?
A. 本記事の5手順はすべて0円です。直通番号の用意、サイトへの情報明示、日程調整の運用変更、内線一覧の設置。これらを実行してから、残った負担に対して有料の仕組みを検討する順番をお勧めします。
Q. 電話に出ないと失礼になりませんか?
A. 用件によります。営業時間や所在地の確認であれば、サイトに明示されているほうが相手にとっても速く解決します。一方、初めての問い合わせやトラブルの申し出は人が受けるべきです。全部を自動にしないという線引きが前提になります。
Q. 社内で改善を提案しても通りません
A. 1週間の記録を添えてください。「電話の半分以上が特定3名への取次」「来客の大半が宅配」という具体的な数字があると、判断が変わります。感覚での提案が通りにくいのは、判断材料がないためです。
Q. 予約フォームを入れると高齢の顧客が困りませんか?
A. 電話をなくす必要はありません。フォームと電話を併存させ、フォームで受けられる分だけ電話が減るという形で十分です。実際、電話を残したままでも件数は明確に減ります。
Q. 中断が多いのは自分の段取りの問題では?
A. 受付は予告なく発生するため、段取りでは防げません。総務省の白書でも、生成AI活用の期待として「業務効率化や人員不足の解消」が最も多く挙げられており、少人数で兼任する構造そのものが背景にあります。個人の努力の問題として扱わないでください。
Q. AI電話対応はいつ検討すべきですか?
A. 費用0円の5手順を実行し、それでも電話が1日10件以上残り、用件が数種類に定型化している場合です。その状態なら効果が見込めます。逆に、5手順を飛ばして導入すると、減らせるはずの電話まで自動応答が受けることになります。
まとめ
- 受付の負担は件数ではなく中断の回数。時間を計っても実感と合わないのはこのため
- 来客・電話・予約の3つに分けて考える。対策がそれぞれ違う
- まず1週間記録する。「なんとなく大変」が「この3種類が8割」に変わる
- 電話は取次先の偏りを見る。数名に直通番号を用意するだけで大きく減る
- 来客は宅配と飛び込み営業を分ける。断る判断を毎回人がしない
- 予約は候補を3つ先に出す。それだけで往復が1回減る
- 費用をかけない5手順を実行してから、有料の仕組みを検討する
- 全部を自動にしない。初めての来客・トラブル・緊急は人が受ける
受付業務は、担当者が「これは自分の仕事なのか」と感じやすい領域です。減らせる部分を減らし、人が対応すべき場面に集中できる形にする。まず1週間の記録から始めてみてください。
予約・受付業務の進め方は予約・受付対応のAI活用、他の業務も含めた全体像は業務効率化のアイデア20選にまとめています。
受付後の対応が特定の人に集中している場合は、問い合わせ管理の仕組みで属人化を止める手順を確認してください。


