プロンプトの書き方・コツ|すぐ使えるテンプレート集
業務効率化支援を行う「Ai-Raku(アイラク)」代表。国立大学でAIの研究を行い、ITコンサル・ウェブコンサルを経て独立。官公庁向けの業務効率化や上場企業の支援等を経て、中小企業の現場に定着するAI活用を企画から運用まで一気通貫で支援している。

- 英語でプロンプトを書いた方が精度は高いですか?
- ツールにもよりますが、日本語でも十分な精度が得られます。無理に英語で書く必要はありません。
- プロンプトは長い方がいいですか?
- 長さより、必要な情報(役割・背景・依頼・形式)が揃っているかが重要です。不要な情報を詰め込みすぎるとかえって精度が落ちることもあります。
- テンプレートはどこで管理すればいいですか?
- 特別なツールは不要で、社内の共有ドキュメントやスプレッドシートで十分管理できます。うまくいった依頼文を随時追加していきましょう。
- 部署によってテンプレートを分けるべきですか?
- はい。部署ごとに業務内容が異なるため、部署別のテンプレート集を作ることをおすすめします。ChatGPTのGPTsのような機能を使えば、さらに効率化できます。
- プロンプトの書き方は研修すべきですか?
- 基本操作は独学でも習得できますが、組織全体で型を統一したい場合は、研修の実施が近道になることもあります。詳しくは生成AI研修とは?費用相場・内容・失敗しない選び方を解説で解説しています。
- 導入の相談はできますか?
- 可能です。自社の業務内容をヒアリングしたうえで、プロンプトのテンプレート作成から伴走します。
- プロンプトの型を覚えれば、誰でも同じ結果を出せますか?
- 型を守ることで品質のばらつきは大きく減りますが、業務知識や状況判断は依然として重要です。プロンプトはあくまで「AIへの伝え方」であり、業務そのものの理解は人が担う部分です。
- 画像生成やコード生成でもプロンプトの型は同じですか?
- 基本の考え方(目的・背景・条件・形式を伝える)は共通ですが、画像生成では色・構図・雰囲気など視覚的な要素の指定が加わります。用途に応じて必要な情報を追加してください。
- プロンプトを書くのが苦手な人はどうすればいいですか?
- 最初はテンプレートの空欄を埋めるだけの形から始めるのがおすすめです。慣れてきたら、少しずつ自分の言葉でアレンジしていけば無理なく上達できます。
- AIへの指示と、人への指示は本当に同じ考え方でいいですか?
- 基本的な考え方は共通していますが、AIは「察する」ことができないため、人以上に明示的に伝える必要があります。曖昧な指示は人よりもAIの方が誤解しやすいと考えておくと安心です。
- プロンプトの練習に、業務時間を使ってもいいですか?
- むしろ実際の業務で試すことが最も効果的な練習になります。架空の練習問題より、日々の実務の中で使いながら覚える方が、実践的な型が身につきやすいです。
- 社内でプロンプトが得意な人を育てるにはどうすればいいですか?
- まず1人が試行錯誤して型を確立し、その依頼文とコツを他のメンバーに共有する流れが効果的です。得意な人の暗黙知を言語化することが、チーム全体のレベルアップにつながります。
「AIに質問しても、思っていたような答えが返ってこない」「毎回どう書けばいいか迷ってしまう」「同じ会社の同僚なのに、使いこなせている人とそうでない人の差が大きい」——生成AIを使い始めた多くの人が最初にぶつかる壁が、この「プロンプト(依頼文)の書き方」です。
実は、プロンプトの書き方を学ぶことは「AIを操作する特別な技術」ではなく「仕事の指示力を磨くこと」とほぼ同じです。目的を明確にする、条件を漏れなく伝える、背景情報を渡す——これらは、人に仕事を頼むときと同じ基本を押さえれば、誰でも上達できます。
本記事では、中小企業のAI導入を支援するAi-Rakuの視点で、プロンプトの基本の型・良い例と悪い例・業務シーン別テンプレートまでを解説します。生成AI全般の基礎は生成AIとは?できること・仕組み・始め方を解説もあわせてご覧ください。
- プロンプトの基本の型「PTCF」(役割・依頼・背景・形式)
- 良い例・悪い例の比較で分かる、精度を上げる書き方
- 業務シーン別、そのまま使えるプロンプトテンプレート
- 【モデルケース試算】プロンプトの型を整備し「月55時間・年間145万円」を削減した中身
- プロンプトが苦手だと感じる人の共通点
- 結論:プロンプトは「役割→背景→依頼→形式」の型で書く
- プロンプトの精度を左右する「情報の粒度」
- プロンプトという言葉自体を整理しておく
- なぜプロンプトの書き方で結果が変わるのか
- PTCFの4要素をもう少し詳しく
- 良い例・悪い例で見るプロンプトの違い
- 他部門の担当者にも伝わる依頼の仕方
- プロンプト力が業務全体にもたらす効果
- 業務シーン別・すぐ使えるプロンプトテンプレート
- もう1つの良い例:会議資料の要約依頼
- もう1つの良い例:データ分析の依頼
- もう1つの良い例:マニュアル作成の依頼
- もう1つの良い例:企画・アイデア出しの依頼
- さらに精度を上げる上級テクニック
- 部署別・もう少し詳しいプロンプト例
- 用途別・依頼の早見表
- ツールによってプロンプトの書き方は変わるか
- 困ったときの対処法(トラブルシューティング)
- よくある3つの誤解
- チームで実践する場合のポイント
- プロンプト作成でよくある失敗
- そのまま使える依頼文の言い回し集
- 1週間で慣れるプロンプト練習スケジュール例
- プロンプトをテンプレート化・組織で共有する方法
- 社内展開ロードマップ
- プロンプト力は「仕事の指示力」そのもの
- 【モデルケース】プロンプトの型を整備し、月55時間を削減するまで
- よくある質問(FAQ)
- Q. 英語でプロンプトを書いた方が精度は高いですか?
- Q. プロンプトは長い方がいいですか?
- Q. テンプレートはどこで管理すればいいですか?
- Q. 部署によってテンプレートを分けるべきですか?
- Q. プロンプトの書き方は研修すべきですか?
- Q. 導入の相談はできますか?
- Q. プロンプトの型を覚えれば、誰でも同じ結果を出せますか?
- Q. 画像生成やコード生成でもプロンプトの型は同じですか?
- Q. プロンプトを書くのが苦手な人はどうすればいいですか?
- Q. AIへの指示と、人への指示は本当に同じ考え方でいいですか?
- Q. プロンプトの練習に、業務時間を使ってもいいですか?
- Q. 社内でプロンプトが得意な人を育てるにはどうすればいいですか?
- 職種を問わず使える「万能プロンプト」の型
- 業界別の活用イメージ
- 導入前セルフチェックリスト
- まとめ
プロンプトが苦手だと感じる人の共通点
「AIに何を頼めばいいか分からない」と感じる人には、いくつかの共通点があります。
目的を言語化する習慣がない
普段から「何のために」を意識せず作業していると、AIへの依頼でも同じように目的が曖昧になりがちです。
完璧な一発回答を求めすぎている
最初の回答で満足いく結果が出ないと「使えない」と判断してしまう方が多いですが、対話で詰めていくのが前提の使い方だと理解すると、印象が大きく変わります。
「間違えたら恥ずかしい」という心理的な壁
AIへの依頼に完璧さを求める必要はありません。気軽に試し、修正を重ねる姿勢の方が、結果的に早く上達します。
結論:プロンプトは「役割→背景→依頼→形式」の型で書く
結論から言うと、精度の高いプロンプトを書くコツは、次の4要素を順番に伝えることです。これは海外ではPTCF(Persona・Task・Context・Format)というフレームワークとしても知られています。(参考:AIエージェントラボ プロンプトの書き方完全ガイド)
- ①役割(Persona):「あなたは〇〇の専門家です」
- ②背景(Context):「この資料は〇〇のためのものです」
- ③依頼内容(Task):「〇〇をしてください」
- ④出力形式(Format):「表形式で」「3行で」
この4つをセットで伝えるだけで、多くの場合プロンプトの精度は大きく向上します。
プロンプトの精度を左右する「情報の粒度」
同じ依頼でも、伝える情報の粒度によって結果は大きく変わります。
粗すぎる情報
「営業資料を作って」だけでは、業種も相手も分からず、汎用的な資料しか作れません。
細かすぎる情報
逆に、関係のない情報まで詰め込みすぎると、AIがどこに注目すべきか分かりにくくなり、要点がぼやけた回答になることがあります。
ちょうどよい粒度
「この依頼に必要な情報だけ」を過不足なく伝えるのが理想です。慣れないうちは、まず情報を多めに書き出し、後から重要度の低いものを削っていくと、適切な粒度に近づけやすくなります。
プロンプトという言葉自体を整理しておく
「プロンプト」という言葉に難しさを感じる方も多いですが、意味はシンプルです。AIへの依頼文・指示文を指す言葉で、チャット画面に打ち込む文章そのものだと考えれば十分です。「プロンプトエンジニアリング」という専門用語も広まっていますが、中小企業の日常業務で必要なのは、複雑な専門技術ではなく、本記事で紹介する基本の型を押さえることです。
なぜプロンプトの書き方で結果が変わるのか
AIは「読み取れる情報」からしか判断できない
AIは人間のように、表情や声のトーンから意図を推測することはできません。文章に書かれた情報だけを手がかりに回答を組み立てています。だからこそ、曖昧な依頼には曖昧な回答しか返ってきません。
「役割」を与えると、回答の質が変わる
AIに具体的な役割を与えることで、その立場になりきった回答をしてくれます。(参考:AI新聞 プロンプトの書き方コツ)「経理担当として」「新人研修の講師として」のように役割を伝えるだけで、トーンや専門性が大きく変わります。
PTCFの4要素をもう少し詳しく
①役割(Persona)の伝え方
「あなたは〇〇です」という一文だけで、AIの回答の切り口が変わります。「経理担当」「新人研修の講師」「厳しめの校閲者」のように、具体的な役割を設定するほど、期待するトーンに近づきます。役割を省略すると、当たり障りのない一般的な回答になりがちです。
②背景(Context)の伝え方
「このデータは〇〇の目的で使う」「相手は△△という立場の人」のように、状況を説明します。背景情報が多いほど、AIは的確な判断ができるようになります。特にClaudeのような長文読解に強いツールでは、背景を詳しく伝えるほど精度が上がる傾向があります。
③依頼内容(Task)の伝え方
「〇〇してください」という具体的な行動を指定します。「まとめて」ではなく「3行で要約して」、「考えて」ではなく「3つのアイデアを提案して」のように、動詞を具体化するのがコツです。
④出力形式(Format)の伝え方
「表形式で」「箇条書きで」「見出しをつけて」のように、受け取りたい形を指定します。この一言があるだけで、コピー&ペーストしてすぐ使える状態に近づきます。
良い例・悪い例で見るプロンプトの違い
悪い例:情報が少なすぎる
悪い例
「メールの返信を書いて」
→ 誰への、何についての返信か分からず、当たり障りのない一般的な文章しか返ってきません。
良い例:4要素がそろっている
良い例
「あなたは営業担当のアシスタントです。取引先のA社から『納期を1週間早められないか』という問い合わせが届きました。工場に確認したところ3日短縮は可能とのことです。丁寧だが簡潔なメール文面を作成してください。」
→ 役割・背景・依頼内容が明確なため、そのまま使える精度の高い文章が返ってきます。
他部門の担当者にも伝わる依頼の仕方
プロンプトの型は、AIへの依頼だけでなく、他部門への依頼や外部業者への発注にも応用できます。「役割(誰に頼むか)」「背景(なぜ必要か)」「依頼内容(何をしてほしいか)」「形式(どう受け取りたいか)」の4点を意識するだけで、社内外のコミュニケーション全般が円滑になります。AI活用をきっかけに、この「伝える力」を組織全体で底上げできると考えると、プロンプトの練習にも一層前向きに取り組めるはずです。
プロンプト力が業務全体にもたらす効果
依頼のたびに考える時間が減る
型を身につけることで、「どう頼めばいいか」を毎回ゼロから考える時間がなくなり、依頼から結果を得るまでのスピードが上がります。
やり直しの回数が減る
最初から必要な情報を伝えることで、「思っていたのと違う」という手戻りが減ります。結果的に、AIとのやり取り全体の時間が短縮されます。
チーム全体の成果物の質が揃う
個人の感覚に頼らず型を共有することで、誰が使っても一定水準の成果物を得られるようになり、属人化を防げます。
業務シーン別・すぐ使えるプロンプトテンプレート
会議・議事録の整理
テンプレート
「あなたは議事録作成の担当者です。添付の会議メモをもとに、決定事項・担当者・期限が分かる形式で議事録を作成してください。」
提案書・企画書の下書き
テンプレート
「あなたは企画担当者です。〇〇という課題に対する解決策の企画書を作成します。背景は△△、対象は□□です。構成案を3枚分の見出しレベルで提案してください。」
メール・問い合わせ対応
テンプレート
「あなたはカスタマーサポート担当です。お客様から『〇〇』という問い合わせがありました。丁寧で簡潔な返信文の下書きを作成してください。」
データ分析・レポート
テンプレート
「あなたはデータ分析の担当者です。添付のデータから、〇〇の観点で傾向を分析し、表形式で結果をまとめてください。」
マニュアル・説明資料
テンプレート
「あなたは研修担当者です。〇〇について、新入社員にも分かるように、専門用語には簡単な説明を添えて解説してください。」
もう1つの良い例:会議資料の要約依頼
悪い例
「この会議の内容をまとめて」
→ 何を重視してまとめてほしいのか分からず、冗長な要約になりがちです。
良い例
「あなたは議事録作成の担当者です。添付の会議メモから、決定事項・担当者・期限の3点だけを抜き出し、表形式で整理してください。雑談や検討中の内容は省いてください。」
→ 何を残し、何を省くかが明確なため、すぐ配布できる形の議事録が得られます。
もう1つの良い例:データ分析の依頼
悪い例
「このデータを分析して」
→ 何を知りたいのか、どんな形で結果が欲しいのかが不明なため、当たり障りのない分析結果しか得られません。
良い例
「あなたはデータ分析の担当者です。添付の売上データは、店舗別・月別の実績です。前年同月比が大きく落ち込んでいる店舗を上位3つ抽出し、考えられる要因の仮説も添えて、表形式でまとめてください。」
→ 目的・観点・出力形式が明確なため、すぐに会議資料として使える結果が返ってきます。
もう1つの良い例:マニュアル作成の依頼
悪い例
「マニュアルを作って」
→ 対象読者も、詳しさのレベルも分からないため、実用性の低いマニュアルになりがちです。
良い例
「あなたは研修担当者です。添付の作業手順メモをもとに、入社1週間の新人でも迷わず作業できるレベルのマニュアルを作成してください。専門用語には簡単な説明を添えてください。」
→ 対象読者と詳しさのレベルが明確なため、そのまま配布できる品質のマニュアルが得られます。
もう1つの良い例:企画・アイデア出しの依頼
悪い例
「新しい企画を考えて」
→ ターゲットも予算も条件も分からないため、実現性の低いアイデアが返ってくることがあります。
良い例
「あなたは企画担当者です。当社は中小企業向けにAI導入支援を行っています。既存顧客のリピート率を上げるための企画を3つ、それぞれ想定コストと実施のしやすさとともに提案してください。」
→ 業種・目的・評価軸まで伝えることで、実務で検討しやすい提案が返ってきます。
さらに精度を上げる上級テクニック
基本の型(PTCF)に慣れてきたら、次の上級テクニックを取り入れることで、さらに精度と効率を高められます。
1回で終わらせず、対話で詰める
最初の回答が完璧でなくても問題ありません。「もっと簡潔に」「この部分を詳しく」と続けて伝えることで、狙った結果に近づけていきます。
具体例を1つ示す(Few-shot)
「例えばこういう文章にしてください」と1つ見本を示すと、トーンや形式が伝わりやすくなります。
大きな作業はステップに分解する
「まず構成を提案して」→「次に各項目の中身を書いて」のように、段階を分けて依頼すると、精度と修正のしやすさの両方が向上します。
「不明点があれば先に質問して」と添える
情報不足のまま的外れな回答をされるのを防げます。AIが前提を確認してから答えてくれるようになります。
部署別・もう少し詳しいプロンプト例
営業のプロンプト例
「あなたは営業担当のアシスタントです。添付の商談メモをもとに、次回提案で強調すべきポイントを3つ、それぞれ理由とともに整理してください。相手企業の課題は〇〇です。」
経理・財務のプロンプト例
「あなたは経理担当のアシスタントです。添付の経費申請一覧から、1件あたり1万円を超える交通費、または土日の申請を抽出し、理由欄が空欄の行を一覧にしてください。」
マーケティングのプロンプト例
「あなたはマーケティング担当です。添付のキャンペーン実績データから、成果が良かった上位3施策の共通点を分析し、次回施策への示唆を3つ挙げてください。」
人事・総務のプロンプト例
「あなたは人事担当のアシスタントです。添付の就業規則の一部を、入社1年目の社員にも分かるように、専門用語には簡単な説明を添えて要約してください。」
経営企画のプロンプト例
「あなたは経営企画担当です。添付の各部署からの月次報告を統合し、経営会議向けに結論を先頭に置いた1枚のサマリーを作成してください。」
用途別・依頼の早見表
| やりたいこと | 依頼の型 |
|---|---|
| 長い文章を短くまとめたい | 「この文章を3行で要約して」 |
| 丁寧な文章に直したい | 「取引先に送るのにふさわしい丁寧な表現に直して」 |
| アイデアを複数出したい | 「〇〇について、切り口の違うアイデアを5つ挙げて」 |
| 難しい内容を分かりやすくしたい | 「新入社員にも分かるように説明して」 |
| 抜け漏れがないか確認したい | 「このチェックリストに抜けている項目がないか確認して」 |
| 複数の資料を比較したい | 「この2つの資料の違いを表にまとめて」 |
ツールによってプロンプトの書き方は変わるか
基本の型(PTCF)はChatGPT・Claude・Geminiいずれでも共通して有効です。ただし、それぞれのツールの得意分野に合わせて、伝え方を微調整すると、さらに精度を高められます。
| ツール | プロンプトの傾向 |
|---|---|
| ChatGPT | 簡潔な指示でも幅広く対応。データ分析・画像生成は指示を具体的に |
| Claude | 長い背景説明・複雑な条件を正確に読み取るのが得意。詳しく書くほど精度が上がりやすい |
| Gemini | 「友人に話すように」自然な文章での指示が推奨される |
迷ったら、まずは基本の型(役割・背景・依頼・形式)を守ることを優先し、ツールごとの細かい違いは使いながら感覚をつかんでいくのが実践的です。1つのツールで型に慣れてから、他のツールに応用する方が習得はスムーズです。
困ったときの対処法(トラブルシューティング)
「毎回、無難な回答しか返ってこない」場合
情報が少なすぎることが原因のことが多いです。具体的な数字・固有名詞・状況を伝えるほど、回答の精度が上がります。
「長い文章を読み込ませるとエラーになる」場合
一度に渡す情報量が多すぎる場合、章ごとに分けて渡すと安定します。
「毎回同じ修正を繰り返している」場合
その修正内容を、最初からプロンプトに組み込んでしまいましょう。「〇〇はしないでください」のように、あらかじめ避けたい点を伝えておくと、修正の手間が減ります。
「部署によって使い方がバラバラになる」場合
うまくいった依頼文を共有ドキュメントにまとめ、社内の「型」として展開すると、品質のばらつきを抑えられます。
よくある3つの誤解
誤解1:「特別な呪文のような言い回しが必要」
実際には、人に仕事を頼むときと同じように、目的・背景・依頼内容を丁寧に伝えるだけで十分です。裏技的なテクニックよりも基本が重要です。
誤解2:「一度で完璧な回答が返ってくるべき」
プロンプトは会話のキャッチボールで精度を上げていくのが前提です。1回で満足のいく結果が出なくても、それが通常の使い方です。
誤解3:「長く書けば書くほど良い」
必要な情報が過不足なく含まれていることが重要で、不要な情報を詰め込みすぎるとかえって精度が落ちることもあります。
チームで実践する場合のポイント
個人差を前提にした仕組みを作る
プロンプトの上手さには個人差が出やすいものです。得意な人だけに頼るのではなく、うまくいった例を仕組みとして残すことで、チーム全体の底上げにつながります。
成功例も失敗例も共有する
「これはうまくいかなかった」という失敗例も、実は貴重な情報です。同じ遠回りを他のメンバーが繰り返さずに済みます。
定期的に見直す機会を作る
AIツールの性能は更新されていくため、以前はうまくいかなかった依頼が、今は問題なくできるようになっていることもあります。半年に一度など、テンプレートを見直すタイミングを設けるとよいでしょう。
プロンプト作成でよくある失敗
失敗1:指示語(それ・これ)を多用する
「それについて教えて」のような指示語は、AIにとっても曖昧です。具体的な名詞で伝えましょう。
失敗2:一度に多くのことを詰め込みすぎる
複数の依頼を1つの文章に詰め込むと、AIの回答も散漫になりがちです。大きな依頼はステップに分けましょう。
失敗3:うまくいった依頼文を記録しない
毎回ゼロから考えていると、時間がかかるうえに品質もばらつきます。うまくいった依頼文はメモやテンプレートとして残しておきましょう。
失敗4:機密情報をそのまま含めてしまう
背景を詳しく伝えることは重要ですが、顧客名や金額などの機密情報は、渡す前にマスキングするか、法人向けプランの設定を確認したうえで扱いましょう。
そのまま使える依頼文の言い回し集
依頼文に迷ったときに使える、汎用性の高い言い回しをまとめました。組み合わせて使ってください。
- 「まず結論・要点を最初に書いてください」
- 「専門用語には簡単な説明を添えてください」
- 「重要な箇所は太字で強調してください」
- 「最後に、次にやるべきことを箇条書きでまとめてください」
- 「読み手は〇〇なので、それに合わせたトーンにしてください」
- 「不明な点や前提が曖昧な部分があれば、先に質問してください」
- 「〇〇はしないでください(避けたい表現・内容を明示)」
こうした言い回しをストックしておくと、業務の種類が変わっても応用が利き、依頼文を考える時間そのものを短縮できます。
1週間で慣れるプロンプト練習スケジュール例
| 日程 | やること |
|---|---|
| 1日目 | PTCFの4要素を意識して、簡単な質問を2〜3回試す |
| 2日目 | 実際のメール1通の下書きを、役割・背景を伝えて依頼してみる |
| 3日目 | 「もっと簡潔に」「別の言い方で」と対話で調整する練習をする |
| 4日目 | データや資料を渡して、出力形式を指定する依頼を試す |
| 5日目 | うまくいった依頼文を1つ、テンプレート化してメモする |
| 6〜7日目 | 1週間で見つけたコツを振り返り、次に試す業務を決める |
この練習は特別な準備がなくても、今日の業務の中でそのまま始められます。
プロンプトをテンプレート化・組織で共有する方法
ステップ1:うまくいった依頼文を記録する
効果的だった依頼文は、その場でメモに残す習慣をつけます。特別なツールは不要で、共有ドキュメントで十分です。
ステップ2:空欄を埋める形式に整える
「〇〇」の部分を空欄にしたテンプレートにしておくと、次回から数字や固有名詞を差し替えるだけで再利用できます。
ステップ3:部署内・全社で共有する
作成したテンプレート集を部署内、さらに全社で共有すると、新人でも一定水準の成果物をすぐ作れるようになります。ChatGPTのGPTsやClaudeのProjects機能を使えば、さらに手間を減らせます。
社内展開ロードマップ
フェーズ1:1人がPTCFを意識して試す(1〜4週目)
担当者1名が、日々の依頼でPTCFの4要素を意識して使ってみます。うまくいった依頼文をすべて記録しておきます。
フェーズ2:テンプレート化して部署内で共有する(1〜3か月目)
記録した依頼文を空欄形式のテンプレートに整え、同じ部署の他メンバーにも共有します。
フェーズ3:他部門へ横展開する(3〜6か月目)
成功した部署のテンプレートの作り方を参考に、他部門でも同様の取り組みを進めます。業務内容が違っても、PTCFという型自体は共通して応用できます。
このロードマップを自社だけで進めるのが難しい場合は、業務の棚卸しから伴走するClaude導入支援や、組織全体の底上げを目的としたClaude研修もご検討ください。
プロンプト力は「仕事の指示力」そのもの
プロンプトの書き方に悩む方は多いですが、実はこれは特別なITスキルではありません。新人に仕事を教えるときや、外部の業者に発注するときと同じ「指示の出し方」が問われているだけです。
「目的は何か」「相手(AI)は何を知らないか」「どんな形で受け取りたいか」——この3点を意識する習慣は、AIとのやり取りだけでなく、日々のマネジメント・コミュニケーションにも活きてきます。プロンプトの練習は、遠回りに見えて、組織全体の「伝える力」の底上げにもつながります。
【モデルケース】プロンプトの型を整備し、月55時間を削減するまで
従業員16名の広告制作会社U社を例に、プロンプトのテンプレート化による効果を試算します。U社では、社員によってAIから得られる成果物の質に大きな差があり、うまく使えている人とそうでない人の差が課題になっていました。毎回依頼文を一から考えるため、やり直しややり取りの往復が多く、かえって時間がかかっているケースも見られました。
※U社は実在の企業ではなく、中小企業によくある状況をもとにしたモデルケース(試算)です。数値は「時給換算2,500円・月20営業日」を前提とした試算で、実際の効果は業務内容や運用方法により変動します。
| 業務 | 導入前 (時間/月) |
導入後 (時間/月) |
削減時間 (時間/月) |
削減額 (円/月) |
|---|---|---|---|---|
| 提案資料作成の依頼文を毎回考える時間 | 20 | 6 | 14 | 35,000 |
| メール返信の依頼文作成 | 16 | 5 | 11 | 27,500 |
| データ分析の依頼文作成 | 14 | 4 | 10 | 25,000 |
| 研修資料・マニュアル作成 | 12 | 4 | 8 | 20,000 |
| やり直し・再依頼にかかる時間 | 18 | 6 | 12 | 30,000 |
| 合計 | 80 | 25 | 55 | 137,500 |
合計で月55時間、約13.8万円分の作業が削減される計算です。特に「やり直し・再依頼にかかる時間」は、プロンプトの型を整備するだけで大きく減らせる項目です。
結果:初期費用0円・月5万円で、初月から月8万円のプラスに
Ai-Rakuの料金(初期費用0円・顧問料 月5万円)で導入支援を受けた場合の試算です。
| 月間の削減額 | 137,500円 |
| 顧問料(月額) | − 50,000円 |
| 月間の純効果 | 87,500円 |
| 初期費用 | 0円 |
| 年間の削減額 | 1,050,000円 |
U社では、うまくいった依頼文を全員で共有するドキュメントを作り、部署全体でプロンプトの型を統一したことで、新人でも一定水準の成果物をすぐ作れるようになりました。ベテラン社員の暗黙知だった「良い依頼の仕方」が言語化されたことで、教育コストの削減にもつながったといいます。「型を作って共有する」という取り組みが、個人のスキル頼みだった状況を組織の力に変えています。
よくある質問(FAQ)
Q. 英語でプロンプトを書いた方が精度は高いですか?
A. ツールにもよりますが、日本語でも十分な精度が得られます。無理に英語で書く必要はありません。
Q. プロンプトは長い方がいいですか?
A. 長さより、必要な情報(役割・背景・依頼・形式)が揃っているかが重要です。不要な情報を詰め込みすぎるとかえって精度が落ちることもあります。
Q. テンプレートはどこで管理すればいいですか?
A. 特別なツールは不要で、社内の共有ドキュメントやスプレッドシートで十分管理できます。うまくいった依頼文を随時追加していきましょう。
Q. 部署によってテンプレートを分けるべきですか?
A. はい。部署ごとに業務内容が異なるため、部署別のテンプレート集を作ることをおすすめします。ChatGPTのGPTsのような機能を使えば、さらに効率化できます。
Q. プロンプトの書き方は研修すべきですか?
A. 基本操作は独学でも習得できますが、組織全体で型を統一したい場合は、研修の実施が近道になることもあります。詳しくは生成AI研修とは?費用相場・内容・失敗しない選び方を解説で解説しています。
Q. 導入の相談はできますか?
A. 可能です。自社の業務内容をヒアリングしたうえで、プロンプトのテンプレート作成から伴走します。
Q. プロンプトの型を覚えれば、誰でも同じ結果を出せますか?
A. 型を守ることで品質のばらつきは大きく減りますが、業務知識や状況判断は依然として重要です。プロンプトはあくまで「AIへの伝え方」であり、業務そのものの理解は人が担う部分です。
Q. 画像生成やコード生成でもプロンプトの型は同じですか?
A. 基本の考え方(目的・背景・条件・形式を伝える)は共通ですが、画像生成では色・構図・雰囲気など視覚的な要素の指定が加わります。用途に応じて必要な情報を追加してください。
Q. プロンプトを書くのが苦手な人はどうすればいいですか?
A. 最初はテンプレートの空欄を埋めるだけの形から始めるのがおすすめです。慣れてきたら、少しずつ自分の言葉でアレンジしていけば無理なく上達できます。
Q. AIへの指示と、人への指示は本当に同じ考え方でいいですか?
A. 基本的な考え方は共通していますが、AIは「察する」ことができないため、人以上に明示的に伝える必要があります。曖昧な指示は人よりもAIの方が誤解しやすいと考えておくと安心です。
Q. プロンプトの練習に、業務時間を使ってもいいですか?
A. むしろ実際の業務で試すことが最も効果的な練習になります。架空の練習問題より、日々の実務の中で使いながら覚える方が、実践的な型が身につきやすいです。
Q. 社内でプロンプトが得意な人を育てるにはどうすればいいですか?
A. まず1人が試行錯誤して型を確立し、その依頼文とコツを他のメンバーに共有する流れが効果的です。得意な人の暗黙知を言語化することが、チーム全体のレベルアップにつながります。
職種を問わず使える「万能プロンプト」の型
部署別の例に加えて、どんな業務にも応用できる汎用的な依頼文の型を知っておくと、初めての作業にもすぐ対応できます。
整理・要約タイプ
「この情報を、〇〇の観点で整理してください」という型は、会議メモ、問い合わせ内容、調査結果など幅広い場面で使えます。
下書き作成タイプ
「この内容をもとに、〇〇向けの文章の下書きを作ってください」という型は、メール・報告書・提案書などあらゆる文書作成に応用できます。
チェック・レビュータイプ
「この内容に、抜け・矛盾・分かりにくい点がないか確認してください」という型は、資料の最終確認や、思わぬミスの発見に役立ちます。
この3タイプの型を覚えておくだけで、初めて扱う業務でも「とりあえず頼んでみる」ことができるようになります。
業界別の活用イメージ
プロンプトの型を使った具体的な業界別の活用法は、以下の記事もご覧ください。
- 建設業の書類作成:建設業の書類作成AI活用
- 製造業の技術伝承:製造業の技術伝承・手順書作成AI
- 経理・バックオフィス:経理・バックオフィスのAI活用
- ECの商品説明文作成:EC商品説明文のAI活用
導入前セルフチェックリスト
| チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| PTCFの4要素を意識できているか | 役割・背景・依頼内容・出力形式をセットで伝える習慣があるか |
| うまくいった依頼文を記録しているか | テンプレート化して再利用できる仕組みがあるか |
| 対話で調整する前提で使っているか | 1回で完璧を求めず、修正を重ねる使い方ができているか |
| 部署内で共有する場があるか | 個人のノウハウが属人化していないか |
まとめ
ここまで、プロンプトの基本の型から、良い例・悪い例、業務シーン別テンプレート、上級テクニック、よくある失敗、社内展開の進め方、モデルケース試算まで解説してきました。最後に要点を整理します。
- プロンプトの基本の型は「役割→背景→依頼→形式」(PTCF)の4要素。
- AIは文章に書かれた情報からしか判断できないため、曖昧な依頼には曖昧な回答しか返らない。
- 1回で終わらせず対話で詰める、大きな作業はステップに分解するなどの上級テクニックも有効。
- うまくいった依頼文をテンプレート化し、部署内で共有することが定着の近道。
- モデルケースでは、プロンプトの型整備で初期0円・月5万円で月55時間・年間105万円分を削減。
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